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第102号

昭薬ミニミニクイズ

ドライアイに悩む姪を心配するツマ子さん

丹那さんとツマ子さんには今年23歳になる姪のメイコさんがいます。

丹那さんの兄の一人娘で学生時代に田舎から出てきてすぐ近所のアパートに一人住まいをしています。

今はある会社でOLとして働いているのですが、ちょっとツマ子さんには心配なことがあります。

ツマ子:「昨日、メイコちゃんが会社の帰りに寄って行ったのだけど、ちょっと気になる事があるの」

丹那:「気になる事ってなんだい? そういえばこの間、目の事を言っていたね?」

ツマ子:「メイコちゃんはパソコンを使う仕事ばかりしていて、ドライアイで困っているみたいよ。」

丹那:「パソコンでドライアイになる人は多いけど治療用の目薬があるのだろう?」

ツマ子:「メイコちゃんは眼医者さんに行って、新しいお薬を出して貰ったのだけど、今まで点していた目薬よりも点眼の回数が少なくていいと言っていたわ。」

丹那:「ドライアイの目薬はそんなに頻繁に点さなくちゃいけないのかい。それだけでも大変だな。」

ツマ子:「目が乾かない様に点眼するから回数がどうしても多くなってしまうんじゃないのかしら?その目薬はもともと胃の薬の成分らしいのよ。」

丹那:「胃の薬の成分がドライアイに効くのかな?」

Q1,ドライアイの点眼液にもその成分が入っている薬剤は以下のどれですか?

1. セルベックス
2. ムコスタ
3. アルサルミン
4. ガストローム

Q2,Q1の点眼液の点眼回数は以下のどれですか?

1. 3回
2. 4回
3. 5回
4. 6回

昭薬ミニミニクイズの解答

【解 答】
A1=2      A2=2

【解 説】
ドライアイは目の不快感や診る視機能異常を伴う慢性疾患であり、涙液異常及び角結膜上皮障害を伴う。
眼が乾く、ゴロゴロするという不快感程度の症状から始まり、悪化すると日常生活にも支障をきたす疾患である。
ドライアイは大きく分けると、涙液の分泌量が減少する涙液分泌減少型ドライアイと主にパソコン、コンタクトレンズなどの環境要因によって起こる涙液蒸発亢進型ドライアイがある。又、涙液層破壊時間短縮型ドライアイというタイプも診断されるようになってきた。

従来のドライアイ治療は保湿作用を主として行い、ヒアルロン酸ナトリウム製剤(ヒアレイン点眼®、ヒアレインミニ点眼®、人口涙液マイテイア®等が使用されてきた。
その後水分とともに角膜を覆うムチンの分泌を促す薬剤としてジクアホソルナトリウム製剤のジクアス点眼®が発売された。
ジクアホソルナトリウムは結膜上皮及び、結膜杯細胞膜上に存在するP2Y2受容体の作動薬であり、細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させ、水分及びムチン分泌を促進させる。
今回メイコさんに処方されたのはムコスタ点眼液UD2%®と思われるが、この薬剤の成分のレパミドは胃炎胃潰瘍治療薬として広く使用されている。
レドパミドの胃粘膜でのムチン増加作用と粘膜修復作用に着目して点眼薬が開発された。この点眼液も角膜・結膜のムチン産生えお促進し、涙の質を正常化させ角膜・結膜の傷を修復してドライアイの不快な症状を取り除くとされる。
使用法は1日4回である。(ジクアス点眼®は1日6回)
又、ムコスタ点眼液UD2%®は防腐剤を含まない、ヒアレインミニ®と同じ1回使い切りタイプの製剤である。

文献;北村正樹ジクアス点眼液:涙液改善作用のあるドライアイ治療
日経メディカル オンライン 最新DIピックアップ(2011/1/6)大塚製薬学術部私信

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