代表理事挨拶

同窓生の皆さま、この度、一般社団法人 昭薬同窓会・平成塾の代表理事に選任されました逸見仁道(へんみ ひろみち)です。私は大学4年間と大学院修士課程2年間の計6年間昭和薬科大学にお世話になりました。その後、薬学を離れ、基礎医学分野と医学教育分野で約40年間過ごしてまいりました。その為、薬学教育や薬剤師業務がどのような変遷を辿って今日の姿に至ったかは、傍観者としての立場からの知識しかありません。それでも、この重責を引き受けた最大の理由は同窓会が平成塾という「生涯学修」(学習ー学んで習うのではなく、学んで修める)の仕組みを保有していたからです。医学部では一人前の医者を養成するために入学時より10年間の教育体制を取っています。即ち、卒前6年で内2〜3年が臨床実習、卒後の初期・後期研修で4年間となります。卒後研修も大学や大きな病院が中心となって遂行する仕組みになっています。ここまでが教育課程で、その後に専門医制度が待ち構えています。一方、薬学での卒後教育や卒後研修制度で、教育制度として確立している制度や仕組みはなく、卒前の6年間のみです。卒後で公的なものは「認定薬剤師」制度のみです。腫瘍や糖尿病など疾病に特化した学会主導の専門薬剤師制度はありますが、何れも教育体系には組み込まれていません。医学部と比較する意味があるかどうか分かりませんが、「認定薬剤師」制度も「生涯学修」という観点からは、まだ緒に就いたばかりで、運用や制度の拡充に工夫の余地が十分にあると感じます。
同窓会の基本は会員同士の親睦を図ることです。卒業ないし修了すればその段階で同窓生となります。同窓生であっても同窓会活動に参加されていない方も多く居られます。現在、単純計算で約半数の方の所在が不明です。所在の判明している同窓生の2割弱の方々が同窓会活動に参加され、また、同窓会活動を支援して頂いています。参加して頂く卒業生の割合を3割程度まで引き上げるのも課題の1つです。卒業生の大半は薬剤師資格を取得していると思われますが、同窓会は生涯学修の場も提供しております。薬剤師認定制度認証機構(CPC)では各大学に生涯教育の一端として同窓会の活用を薦めています。幸い、本同窓会はすでに活動しており、世の中の要望の受け皿はできています。これをどう活かし、発展させるかは正に同窓生の皆さまのお心一つです。同窓会を単なる親睦会に終わらせることなく、学修の場としても利用して頂きたく、お願いする次第です。
現在、同窓会は法人組織となり、卒業年と地域からなる活動単位で「社員」という形で構成されています。即ち、同窓生は卒年と地域の双方に属して活動していることになります。但し、両者とも全ての卒業年度および地域を網羅しているわけではなく、結構、虫食い状態です。この虫食い状態の解消も課題の1つです。どちらの活動単位であっても会合や講演会には同窓会より支援(補助金やCPC単位)があります。クラス会の開催や支部会の設立なども支援可能ですので、是非、ご利用下さい。
略歴:昭和薬科大学大学院修了後、東北大学大学院医学研究科へ進学し、修了(医学博士取得)。米国NIH(NCI)留学後、東北大学医学部、(財)相模中央化学研究所、東邦大学医学部にて、がん化学療法や疾病の分子生物学の基礎研究および医学教育に従事。平成28年3月東邦大学退職。米国がん学会(AACR)名誉会員、American Association of Cancer Research Emeritus member、(公財)がんの子供を守る会 治療研究委員会 ad hoc 委員