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ミニミニクイズ 免疫異常による不育症

結婚後、中々子供に恵まれない主婦の古賀星子(こがほしこ)さん(32才)が丹奈さんとツマ子さん夫妻と話をしています。やっと妊娠出来たという事です。

ツマ子さん:星子さん、おめでたで良かったわね。

星子さん :私は速く子供が欲しいのにもう何回か流産をして、先生からは不育症と言われているの。妊娠しても子供が育ちにくいのですって。

ツマ子さん:アラ、何か原因があるの。

星子さん :免疫異常の為に血栓が出来やすく、その為流産し易いと言われているの。
抗リン脂質抗体症候群という病気ですって。

丹奈さん :自己免疫疾患でそういうのもあるんだね。何か治療法があるんじゃないかな。

星子さん :血栓が出来やすいので血栓を抑える薬を出して貰っています。血栓が胎盤に出来ると胎児に栄養や酸素が生きにくくなり流産し易いらしいんです。

ツマ子さん:あら、それは知らなかったわ。どんな薬が出ているのかしらね。

星子さん :不育症の治療も大事だけれど、お腹の子供に薬の影響があるかもしれないとそれも心配なのよ。

Q1:抗リン脂質抗体症候群による血栓症による不育症治療に使用出来ない薬剤は以下のどれですか?
1. シロスタゾール
2. プラビックス
3. ロゼレム
4. ペリアクチン

A1:①、③

文献:平成27年度日本医療開発機構成育疾患克服等総合研究所 抗リン脂質抗体症候群合併妊娠に治療及び予後に関する研究 研究班:抗リン脂質抗体症候群合併妊娠の診療ガイドライン

解説:不育症とは、妊娠しても退治が成育出来ず、流産・死産、早期新生児死亡(出産後1週間以内に死亡)を呈する病態である。原因としては夫婦染色体異常、子宮形態異常、血内分泌異常等と共に血栓症も挙げられる。(原因が明確なものは不育症患者の35%とも言われている。)胎盤は血栓が出来やすい部位であるが、血栓が生じる事により胎児に十分な酸素・栄養が行き渡らず不育症になり易い。この血栓の原因として抗リン脂質抗体症候群がある。体内に備わる免疫機構が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つとして、抗リン脂質抗体と言う自己抗体が関わる抗リン脂質抗体症候群がある。抗リン脂質抗体とは1つの抗体の呼称ではなくリン脂質結合蛋白に対する自己抗体の総称である。

この疾患は原発性と、自己免疫疾患である全身性エリとマトーデス患者の続発性疾患でもあり、全国で4万人患者がいると考えられている。

この疾患の主な症状は血栓症と不育症であるが、自己免疫の誤作動により、血栓は血小板が多くなっている時に発症し、逆に血小板が減少している時には血小板減少症による出血を招くとされている。血栓は動脈・静脈のどちらにも発生し、動脈系では脳梗塞が多いとされている。不育症の場合は、必ずしも胎盤内に血栓が見られるわけではなく、現在、胎盤の機能不全(トロボプラストと言う細胞の障害)の関与が一番大きいと考えられている。

染色体異常や子宮形態以上による不育症と違って、抗リン脂質抗体症候群による不育症の場合は治療可能である。抗リン脂質抗体症候群の治療には抗凝固療法が原発性・続発性共に選択される。抗凝固療法は抗血小板薬(アスピリン・チクロピジン、シロスタゾール、PG製剤等)、抗凝固薬(ワルファリン・ヘパリン)、繊維素溶解剤(ウロキナーゼ)などがあり、状態に応じて選択されるが、不育症の場合は抗血小板薬、中でも低用量のアスピリン(バイアスピリン100mg、1日、1~0.5錠投与)が処方されている。Q1にある様にワルファリンは催奇形性があり、不育症以外の血栓症に用いられている場合、妊娠5週末までにヘパリンに切り替えるとされる。又、シロスタゾールは催奇形性があり、妊婦、妊娠している可能性のある婦人では禁忌である。

クロピドグレルは妊婦等に禁忌とはされていないが、治療経験が無い為、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用となっている。低用量アスピリンも長期使用による出産異常が否定できないと言う報告もあり、出産予定日12週以内に投与中止するとされている。
しかし、抗リン脂質抗体症候群と判明しても妊娠前からの低用量アスピリン不要とされている。

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