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会長短信

薬剤師と政治活動

第50回日本薬剤師会学術大会に合わせて開催された「昭薬同窓会in東京」は60名近い参加者があり、村瀬雅之前理事長の叙勲祝いも兼ねて元木和幸理事長、西島正弘学長の参加もあり、盛会のうちに幕を閉じた。お忙しいなか時間を割いて列席された方々にこの場を借りて先ずは御礼を申し上げたい。会の詳細は同窓会報等で報告されると思うが、気になったことがあるので忘れないうちに書き留めておきたい。懇親会では政治家からのアプローチとして祝電と2名の挨拶があった。3名とも薬剤師であり国会議員または国会を目指している方々である。学会開催に合わせて13の薬科大学や薬学部の同窓会が開催され、駆け足で挨拶回りをされているとのことであった。

言うまでもなく、日本は法治国家であり、法律に基づいて社会は動いている。また法はその精神が重要であるとも承知している。その法律を作るのが立法府である国会であり、その国会に議員を送り込んでいるのが、我々一般の国民である。医療の改善を目指したり、医療者の立場からの意見を法律に反映させているのは主として医療者代表の議員と患者の団体である。医療者代表としては医師が圧倒的に多い。毎年の国家試験合格者数を見ると医師と薬剤師で大きな差はなく、1万人前後で推移している。母数がそれほど変わらないにも関わらず、この差は何に起因するのかを疑問に感じることではある。原因はともかく3名では余りにも少なすぎる。私の経験では国会を動かすのは患者団体の声が絶大である。その声を拾い上げて専門家ではない他の議員や国民を説得するのが医療者代表の役割の1つだろうと思っている。それを医師出身の人々におんぶに抱っこで良いのだろうか。薬剤師は薬剤師としての役割や独自の考え方や意見があるはずである。日本薬剤師連盟が薬剤師の政治活動、即ち、代表を国会等の議会へ送り込む任を担って活動している。政治活動を嫌う方々も居られることは承知しているが、日本の社会制度を考えると、その是非論はともかく、必要な事柄である。その必要性を認識し、少なくとも無関心から関心へと気持ちの変換を図って欲しいと感じた次第である。

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