【119号】平成塾薬剤師業務支援講座『統合失調症』
2013年1月13日(日曜日)13:00-16:00の間に独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院薬剤部:原 恵子(D-51S)氏による『統合失調症』についての講演がシオノギ渋谷ビル3階レクチャーホールで行われた。
最初に統合失調症の歴史として中世「悪魔付き」という見方をされた。1899年独逸人エミール・クレペリンが「早期痴呆」として、病気として捉えるようになった。1911年スイスの精神医学者オイゲン・ブロイヤーによって「精神分裂病」とされた(痴呆とは違う種類の病気であるという認識がされた)。1952年フランス人の精神科医らによってクロルプロマジンによる抗精神病作用が発見された(薬物治療の始まり)。1957年ベルギーの薬理学者パウル・ヤンセンがクロルプロマジンより優れたハロペリドールを開発。1984年非定型抗精神病薬のリスペリドンが開発(日本での発売は1996年)。1993年全国精神障害者家族連合会が「精神分裂病」という病名について対策を取るように学会に申請。2005年障害者自立支援法の成立で新病名が法律用語として採用。
従来「精神分裂病」の病名で呼ばれていた疾病が、「統合失調症」になった変更理由の説明がされ、統合失調症とは何かと云うことで主な病態について解説し、漫画入りのスライドで発症要因、陽性症状、陰性症状、経過等について展開し、薬物治療の流れについて解説、具体的な抗精神病薬の特質について説明した。
専門薬剤師として精神科の専門病院で働く薬剤師の業務内容と仕事の大変さが、講演の内容から覗われた。