薬剤師研修認定制度 研修受講シール発行証明−研修受講シール等に関する説明会に出席して−
本年3月にお伝えした、認定薬剤師認証研修機関(薬剤師認定制度実施機関:プロバイダー)の発行する研修受講シール(単位シール)の不正入手対策が当事者であるG01の公益財団法人日本薬剤師研修センター(研修センター)から発表されました。5月15日に研修センター主催の全プロバイダーを対象とした「研修受講シール等に関する説明会」が開かれ、その席で対応策と各プロバイダーへの協力要請がありました。厚生労働省医薬・生活衛生局の担当官および薬剤師認定制度認証機構(CPC)事務局の出席もあり、1プロバイダーの呼びかけと言う割には緊張した雰囲気でした。これは単にネットでの売買という問題ではなく、①どのプロバイダー発行の研修受講シールでも起こりうること、②不正に入手した研修受講シールで認定薬剤師の認証を受け、かかりつけ薬局の加算請求を行った場合、「保険の不正請求」に当たるという判断が当局よりされていることに起因すると思われました。①については研修を受けないで研修受講シールを入手することが該当します。例えば、1単位足らないから友人や同僚から研修受講シールを借りたり貰ったりすることも該当し、このような研修受講シールに関する不正行為を防止することが求められています。この対策は各プロバイダーに任せられていることですが、この説明会では研修センターの対策(案)が提示されました。案によれば、本年7月1日より、研修センターの発行する研修受講シールには連番が付され、研修センターに問い合わせることにより誰がどういった研修を受けたがわかる仕組みとなること。また、認定薬剤師の認証申請があった場合、研修センター以外のプロバイダーの発行した研修受講シールについては当該プロバイダーの発行する研修会受講証明書の添付を必須とする。即ち、研修会受講証明書の添付がない場合は研修受講シールの単位は無効ということでありました。将来的には電子化で対応する計画のようですが、当面2年間くらいを目処にアナログで進めるとのことでした。研修会受講証明書の様式についても細かい規定が示されました。研修受講シール1枚につき1枚の証明書が必要で、申請者本人が研修受講シール発行プロバイダーに申込み、証明書はA4版で、研修会名称や年月日、受講者氏名、薬剤師登録番号、責任者の印影の押印などの5項目の掲載必要事項が提示されました。これらの要件に関しましては出席したプロバイダーから質問や要望が出されましたが、基本、不正防止という観点からこれらは必要であるという説明が再度ありました。即ち、研修センターに認定申請をする場合には、必要な単位数の単位シール添付の手帳と他プロバイダーの単位シールが含まれている場合、研修受講シールの枚数分の研修受講証明書が必要ということになります。また、研修センターでは研修受講シール発行時に薬剤師登録番号を要求するということですので、他のプロバイダーでも同様の措置を取る可能性があり、普段持ち歩く携帯やスマホに免許証の写真を入れておくと便利かも知れません。
本来であれば厚労省指導のもと、CPC主導で対応すべき事象と感じましたが、説明会終了後、認定薬剤師認証研修機関協議会(CAPEP)準備委員会でも対応が話し合われました。当面、研修センターからの研修受講シールに関する要望に対し、証明書発行の申込書の雛形を作成することや手数料を含めた手続きの具体化と簡略化を図ろうとしています。また、不正予防という観点から、研修センターのみならず、各プロバイダーでの対策も必要であり、CAPEPで話し合いの場を持つことになりました。
何れにしても不正防止対策は早急に取らなければならないことですが、当面、研修会受講証明書の発行にはかなりの時間と手間が取られることが予想され、その準備を急がなければならいない状況になっています。更に、平成塾を始め多くのプロバイダーでは研修受講シールの発行数と比べ認証数が極めて少ないことから、証明書の発行依頼がたくさん来ることが予想され、平成塾としても受講者名簿の一元管理や他プロバイダーへの対応策の策定など関係者の情報共有が急務となっています。