第22回認定薬剤師認証研修機関協議会報告
第22回認定薬剤師認証研修機関協議会(CAPEP)が8月25日 TKPガーデンシティ御茶ノ水で開催された。開催担当機関は一般社団法人薬局共創未来人財育成機構(代表理事 浅山 亨氏)であり、26研修機関が出席した。平成塾からは田口恭治・寺門哲 両副会長、関根克敏運営委員とともに参加した。協議会の協議に先立って、新任の厚生労働省医薬・生活衛生局総務課薬事企画官/医薬情報室長 安川 孝志氏による特別講演「今後の薬剤師・薬局に期待すること」が行われた。講演では①薬剤師・薬局に関する最近の状況 ②医薬品医療機器制度部会での議論 ③今後期待される薬剤師の職能の3つのテーマについて取り上げられた。要点を掻い摘んで紹介すると平成28年度の調剤医療費は約7.4兆円で内訳は薬剤料5.6兆円、技術料が1.8兆円となっている。問題は「患者のために1.8兆円に見合った業務を行なっているか」ということである。多くの患者は「薬局では薬を受け取るだけ」と思っており、「病院と同じことを聞かれる」とか「2度手間」いった煩わしさを感じている患者も多い。さらに問題点は「地域包括ケアシステム」のもとで他の医療機関との連携業務での薬剤師の役割が介護関係者や市町村に理解されていないことであり、患者や住民に信頼される薬剤師になるためには一層の努力が必要であると評価されている。また、平成18年に医療法の改正が行われ、調剤薬局が「医療提供施設」に加えられ地域医療に貢献することが求められたが、この10年間にこの期待に十分答えていないことも指摘された。要は薬局・薬剤師は薬という「対物」から薬学的知識に基づいた患者対応である「対人」への変換が急務であるということである。「地域医療への貢献」という点では超高齢社会に突入し、居宅介護支援での薬剤師の果たす役割も期待され、調剤薬局でのOTC薬の取り扱いの増加も有効な手段であるとの説明があった。また、かかりつけ薬局での薬剤師のあるべき姿やIT特に人工頭脳(AI)を活用したオンライン調剤のイメージなどごく近未来の薬剤師像も紹介された。制度的な話では薬剤師レジデント制導入の検討や医師と看護師の関係を念頭に置いた薬剤師(調剤)補助員のような資格の創生など現在の薬剤師業務の変化の予想図的な話も紹介された。講演の後、湯本哲郎会長(星薬科大学)の司会で報告事項と協議事項が進められた。協議事項ではポータルサイトの項目の追加や協議会日程の変更、事務委託と会費値上げ、役員選出方法の変更についての検討の開始などが承認された。