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会長短信

輪の広がり

第17回平成塾通信講座スクーリング終了後、原宿で開催された渡部一宏教授の「日本薬剤学会旭化成創材研究奨励賞」祝賀会に出席した。受賞については大学の広報に掲載されており、ご存知の方も多いと推察するが、この祝賀会は出身の薬剤学研究室(宇都口 直樹教授主宰)が中心となり開催された。実質的な発起人は松本光雄名誉教授で、出席する機会を作って頂いたのが1年後輩の秋山直敏氏(D-23)であった。昭薬時代の恩師堀誠先生のテニス繋がりの縁である。

松本先生からは受賞に関してこれまで国公立大学がほとんどで、昭薬のような私学では稀なこというお言葉があり、渡部教授の受賞を讃えられた。受賞内容は従来難しいとされていた抗原虫剤メトロニダゾールの外用薬としての製剤技術の開発であり、現在、がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減で保険適用になっている。がん患者のQOLを高め、同時に病院の経済的並びに時間的な負担軽減に寄与している。同窓生がこのような貢献をしていることは実に喜ばしいことである。

また、同窓会に対してのご助言を2つ頂いた(と理解した)。1つ目は大学教員の同窓生割合である。5割を目標にすることを同窓会として大学に要求せよということである。日本大学では内規で6割以上と定められているというサポート意見が出された。2つ目は昭薬に奉職したことのある教職員の大学との繋がりである。同窓生・他学出身者を問わず、離職後は大学との関係を断つ方々が大部分であり、これは嘆かわしいとの意見であった。個人的な意見ではあるが、同窓会活動には同窓生のみならず、大学の教職員(教務職員・事務職員)の参加が必須であると考えている。特に、昭薬のような家族的雰囲気の高い大学では在校時に少なからず他校出身者である事務職員や教員の世話になっているからである。代議員ないしは理事に教職員枠を新設するのも一法かも知れない。また、同窓会の従来の構成は卒年毎のクラス単位と地域ごとの支部単位であった。これに加えて部活や研究室単位での参加の提案をしてきた。この提案は現在広く受け入れられている訳ではないが、機会を作って同窓生の意見を聴いていきたいと考えている。

初めは単なる受賞記念祝賀会のつもりであったが、終わってみれば同窓会活動に対する期待と注文が殺到した会であったと感じた。誘って頂いた秋山氏、貴重な意見を沢山頂いた松本先生や渡部先生、さらに終始ニコニコと見守って頂いた宇都口先生やその共同研究者の方々に、この場を借りて改めて御礼申し上げると同時に薬剤学研究室の益々の発展を祈念したい。

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