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旧・会長短信

【89号】『新設薬大9校が定員割れ』

文部科学省は、新たに設置を認可してから完成年度を迎えていない大学や学部、大学院などの運営状況を調べた2011年度「設置計画履行状況等調査」の結果を発表したが、中で薬学系では、2006年度以降に設置した大学等か調査の対象になり、9校が0.7倍未満の定員割れを起こしていたとしている。

文科省は教育環境の質を保つため、入学定員を見直すなど、大学側の自主的な改善を求めている。一方、定員超過の是正が指摘されたのは、薬学系で2校だった。 調査は、第1期生が卒業していない学部や学科などを持つ大学・大学院を対象とし、授業科目の開設や教員組織の整備などが当初の申請計画通りに行われているかどうかを把握することを目的とし、大学設置・学校法人審議会大学設置分科会の運営委員会に設置した「設置計画履行状況等調査委員会」が行った。

今回、定員充足率を満たしていないと指摘された薬学系学科は、
▽いわき明星大学▽日本薬科大学▽千葉科学大学▽姫路獨協大学▽安田女子大学▽福山大学▽徳島文理大学香川薬学部▽松山大学▽九州保健福祉大学の9校。

文科省はこれらの大学に対し、「定員充足率の平均が0.7倍未満となっていることから、学生確保に努めると共に、今後の定員のあり方について検討すること」との留意事項を付した。その一方で定員を超える学生を受け入れていた、

▽星薬科大学大学院▽横浜薬科大学の2校については、「入学定員超過の是正に努めること」との留意事項が付けられた。

また、横浜薬科大学に対しては、
▽退学者・留年者の人数が多く見られることから、その原因について分析を行い、具体的な対策を講じること
▽学生のニーズを踏まえつつ、実習に係る教員組織の充実および実習先との連携強化等に努め、教育効果が上がる実習指導体制を構築することとする留意事項も付けられた。文科省は、留意事項が付された大学に対して、留意事項への対応状況について報告を求めると共に、必要に応じて実地調査や面接調査などを行うとしている。

この報道に対して、特に意見を申し述べる気はないが、医学部に比べて安上がりに開設することが出来ると云うことで、薬科大学を開設したとすれば、その責任は重い。学生の応募者が少なかったというのは、まだ容認するとしても、留年者や退学者が多いというのは見過ごしに出来ない。今年の3月に第1回目の卒業生が卒業するが、果たして入学生と卒業生の差はどの程度出るのか。入学させて卒業させられないと云うことは、教員の能力の問題が問われるのではないか。

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