2011年 第1回テキスト「消化性潰瘍 Peptic ulcer」
第1回 消化性潰瘍 Peptic ulcer
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●編著●
元(独)国立病院機構千葉医療センター薬剤科長 米倉 徹
(独)国立病院機構東京医療センター医薬品管理室主任 荒 義昭
はじめに
今回は、日常の臨床現場でよく遭遇する消化器系の6疾患の中でも、ここ数年でその治療法に大きな変化の見られた、消化性潰瘍にスポットを当ててみました。
今までに消化性潰瘍の発生機序が解明されて来た過程で諸説が唱えられて来ましたが、NSAIDs、ストレス、喫煙等の外的な要因以外に、内的要因としてヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)なる細菌の関与による発症が、かなりの割合を占めていることが解りました。
そのことから、今まで外科的に行われていた治療法の多くが、H.pyloriの関与を確認し、[有り]と確定されると薬剤による内科的治療法でH.pyloriを取り除く方法、いわゆる除菌治療(一次除菌)から始めることになったわけです。患者の立場からすれば手術による身体へのリスク、ならびに精神的、経済的な負担を大きく軽減することになりましたが、当初はかなり高かった除菌率も耐性菌が出て来たことで成功率が下がり始めたことを受けて、さらに、2007年3月には二次除菌が保険で認められ実施されています。
なお、二次除菌療法の保険適用から3年が経過したことから、現在は三次除菌も試みられていますがレジメンが確立されていないため、本編では2009年10月の日本消化器病学会ガイドライン作成・評価委員会より出された、「消化性潰瘍ガイドライン」からの情報を基にまとめてみました。
非除菌療法、及び使用する薬剤については薬剤別の基本処方、症状等に合わせた組み合わせ処方、治癒後の再発防止を目的とした処方、及び吐血・下血時の処方に分けて記載しました。また、検査値に対応する内容ともなっています。
本誌はポケットサイズですので携帯していただき、何かの折にお役にたてれば幸いです。
2011年4月 執筆:荒 義昭、米倉 徹
【目次】
- I.概説 3
- II.検査 4
- III.治療 4
- 内視鏡的治療
- 非内視鏡的治療
- IV.H.pylori除菌療法 5
- V.胃潰瘍の非除菌治療 6
- VI.十二指腸潰瘍の非除菌治療 15
- VII.潰瘍の再発防止 18
- VIII.用語解説 21
- IX.付録 24
- X.復習問題 34
- XI.索引 36
索引
【あ行】
- アミノ酸系化合物 9
- アルミニウム化合物 9
- 胃食道逆流症(Gastroesophageal Refl ux Disease:GERD) 19 , 22
- イソプレニルカルコン酸誘導体 10
- 一次除菌 5
- 胃腸管出血 3
- イルソグラジン系化合物 11
【か行】
- 基礎分泌 8
- 喫煙 3
- 逆流性食道炎 19
- 急性胃粘膜損傷 3
- 血液検査 4
- 血便 4
- 攻撃因子 3
- コーヒー残渣様嘔吐 3
- 黒色便 3
【さ行】
- 刺激分泌 8
- 出血性ショック 5
- 消化管造影検査 4
- 小球性低色素性貧血 4 , 21
- 上腹部痛 3
- 食道静脈瘤 3
- 心窩部痛 3
- 選択的ムスカリン受容体拮抗薬 8
- ゾリンジャー・エリソン症候群 3 , 21
【た行】
- テルペン系化合物 10
- 吐血 3
- トラネキサム酸誘導体 10
【な行】
- 内視鏡検査 4
- 内視鏡的治療 4
- 二次除菌 5
- 尿素窒素(BUN) 4
- 粘膜病巣保護薬 9
【は行】
- 非除菌治療 6
- 非内視鏡的治療 4
- 貧血 4
- プロスタグランジン系化合物 11
- プロトンポンプ阻害薬(PPI) 7
- ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori) 3 , 21
- 防御因子 3
- 防御因子増強薬 9
【や行】
- 夜間分泌 8
【0~9】、【A~Z】
- H.pylori除菌療法 5
- H2ブロッカー 7
- intraventional radiology(IVR) 5 , 22
- Mallory-Weiss症候群 3 , 21