【96号】安全性情報報告制度の周知について
薬の副作用を考える場合、間違いなくその薬の副作用なのかどうか、因果関係が明確ではないということで、報告を躊躇うことがあるかもしれない。しかし、現実には生の報告が集まることによってある特定の薬が浮き上がってくる可能性がある。
限定された患者に使用される臨床治験段階で補足できなかった副作用情報でも、広範な患者に使用することによって、見えなかった副作用が見えてくる場合もあり、同様に広範な副作用情報の報告が集合化されることによって、特定の薬をあぶり出すことも出来るはずである。従来は手書きの報告書を使用して厚労省に送ることになっており、面倒だと云うこともあったが、現在は電子媒体を用いた報告も可能である。
副作用報告については患者からも試行的に蒐集するという。専門職能である薬剤師が、報告を躊躇っていたのでは話にならない。重篤な副作用を見逃さないように常にアンテナを張っておくことが必要である。
薬食安発0312第1号
平成24年3月12日
各都道府県知事 殿
厚生労働省医薬食品局安全対策課長
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度の周知について
日頃より医薬品・医療機器等の安全確保対策に御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、薬事法第77条の4の2第2項に基づき、医薬関係者等が、医薬品又は医療機器について副作用等の発生を知った場合において、必要があると認めるときに、厚生労働大臣に対し直接副作用等を報告するものです。報告された情報は専門的観点から分析又は評価され、必要な安全対策を講じるとともに、広く医薬関係者等に情報を提供することで、市販後安全対策の確保を図ります。
本制度のより一層の普及を図るため、本年度も「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」による報告のお願い」とともに本制度の啓発ポスター( 報告用紙付) を全国の医療機関・薬局等へ配布し、改めて周知を図ることとしています。
つきましては、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度の趣旨を御理解いただき、本制度の普及・定着のため、貴管下医療機関・薬局等への本制度の周知及び貴職及び貴管下保健所における報告用紙の常備につき特段の御配慮をお願いいたします。
なお、ファックス又は郵送による報告に加え、「e-Gov電子申請システム」を使用した電子的報告の受付も行っておりますので、これの普及につきましでも併せて御配慮をお願いいたします。
電子的報告の詳細については、電子政府の総合窓口(e-Gov) ホームページの「e-Gov電子申請システムのご利用はこちらから」 (http://shinsei.e-gov.go.jp/menu/) をご覧ください。