【84号】文科省検討会薬学生の質確保で結論出ず!
2011年12月13日に開催された文部科学省の『薬学系人材養成の在り方に関する検討会』(座長=永井良三・東京大学大学院医学系研究科教授)で、薬科大・薬学部が質の高い入学者を確保するための対応策について、ワーキンググループから報告を受けた。薬科大学については6年制学科の5年次進級率が低く、今後、薬学生の質低下が大きな問題になるとして対応策を検討していた。
この日は定員充足率や進級率などが特に低い大学に対し改善を求めていくことや、今後の対応についてヒアリングを実施していく方向性が示されたが、結論には至らず、引き続き検討していくことになった。
文科省の調査では、6年制1期生が入学した2006年度の6年制学科入学者数は国公私立大合計で11,119人、5年次進級者は8,684人で、進級率は78.1%で8割を下回った。更に5年次に進級した学生のうち、実務実習を終了したのは8,581人で、入学者のうち実務実習まで終了できた学生は77.2%に留まっている。
ワーキンググループの井上圭三座長(帝京大薬学部長)は「学生の質の確保が出来ないと進級率がどんどん悪くなる。極めて深刻な問題」と指摘。各大学に自己点検・自己評価を求めて改善策のヒアリングを行うの提案を行っている。結論については1期生が受験する最初の国家試験の結果なども参考にすることで意見の一致を見たという[日刊薬業,2011.12.14.p.2]。
多分、国家試験の結果は、悲惨な状況になるのでは無いか。もし、それが避けられるとすれば、各薬科大学が国試の受験者を大幅に絞り込むという手品を使ったという結果かもしれない。しかし、現実問題として、国家試験の後でも、各薬科大学は改善策を打ち出すことは出来ないのでは無いか。