【73号】平成塾スクーリング開催される
2011年8月28日(日曜日)10:30-12:00、町田市文化交流センター5F(けやき)において午前の部として『消化性潰瘍治療薬の臨床薬理』の演題で、渡邉 誠 教授(明治薬科大学医薬品評価学)による講演が行われた。
臨床薬理の三本柱は(1)創薬と育薬のための臨床試験、(2)個々の患者さんを対象にした合理的薬物投与計画法とそのために役立つ臨床薬物動態学、(3)患者さんと医療者との「治療のよきパートナーシップと信頼関係」の形成であるとし、tailormaidmedicineを実行する上で、医療コミュニケーションを取るための技術取得のためSP(模擬患者)が重要な役割を果たすとした上で、胃の働き、消化性潰瘍の疫学、胃潰瘍の模式図、消化性潰瘍治療のフローチャート、消化性潰瘍の治療薬の進歩等について説明した。また、消化性潰瘍の治療薬として攻撃抑制因子、防御因子増強薬等について具体的な説明を行った。
例えば制酸剤では空腹時に投与することが必要であり、1日6-7回の投与が必要、粘膜保護剤のスクラルファートは副作用が少ない。プロトンポンプ阻害薬(PPI)は吸収された後血液の中から胃の壁にある胃酸を出す細胞の働きを阻害、胃酸分泌を強力に、持続的に抑制する。但し直接胃酸に合うと作用が減弱するため、経口剤は何れも腸溶加工されている等々の解説を行った。