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【同窓会報 第94号】

昭薬ミニミニクイズの解答

【解 答】
・クイズ1  3.潰瘍性大腸炎
・クイズ2  1、3、4

【解 説】
潰瘍性大腸炎は主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸のびまん性、非特異性の炎症である。いまだ原因は不明であり、緩解と再発を繰り返す。
潰瘍性大腸炎(UC)は病変範囲により直腸炎型、遠位大腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型の4種に分類されている。

UCの主症状は血性下痢であるが、排便回数、顕血便、発熱、頻脈、貧血などの程度により重症、中等症、軽症の(症状による)重症度分類もある。UCは大腸がんと同様に日本でも近年増加を続けており、脂肪食摂取との関連も考えられている。

UCは一般的に喫煙者の罹患率は非喫煙者の60%といわれている。

その理由は未だ解明されていないが、ニコチンパッチを用いて、ニコチンを体内に摂取する療法もある。しかし軽症の活動期に用いたニコチンパッチの有効性はステロイドに劣るといわれている。

喫煙はもちろん身体に対して多くの悪影響を及ぼし、禁煙が奨励されている。

しかし、禁煙指導に際して潰瘍性大腸炎の既往は注意する必要がある。なおUCの治療法は活動期と緩解期では違っている。

治療薬としてサラゾスルファピリジン(SASP=サラゾピリンなど)、5-ASA(メサラジン=ペンタサなど)が量を調節して用いられる。

ステロイド剤は活動期には有効だが緩解期には用いられない。

なお、ステロイド依存例、離脱困難例では免疫抑制剤のアザチオプリン、6-メルカプトプリンなどが用いられる。

文献:
難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班プロジェクト研究グループ
エビデンスとコンセンサスを結合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン(2006年1月)

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