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【同窓会報 第93号】

昭薬ミニミニクイズの解答(22ページ)

壇那さんの処法
インデラルLAカプセル® 60mg 1Cap
1日1回朝食後服用 28日分

Q:インデラルLAとアルコールとの相互作用との正しいものはどれですか?

1.アルコールにより作用が弱くなる
2.アルコールにより作用が強くなる
3.アルコールにより作用が強くも弱くもなる

A:3

【解 説】
今回処方されているインデラルLAカプセル®は、徐放性塩酸プロプラノロールを60mg含有するカプセル製剤です。塩酸プロプラノロールはβ遮断剤であり、血管への作用は、交感神経β受容体を遮断することによる。 インデラルLAカプセル® 60mgの適応は高血圧、狭心症である。 同じ塩酸プロプラノロール製剤のインデラル錠10mg、20mgの適応は、高血圧、狭心症、不整脈である(インデラル注射液® 2mgは、 不正脈、狭心症の治療剤となっている。塩酸プロプラノロールは相互作用としてチオリダジン(メレリル )、安息香酸リザトリプタン(マクサルト) とは併用禁忌であるが、その他にも多くの併用注意の物がある。アルコールも併用注意であるが、従来その臨床症状は塩酸プロプラノロール の血中濃度が低下し、作用が減弱すると言われていた。アルコールにより肝の酵素が誘導され、塩酸プロプラノロールの代謝が促進され、 バイオアベイラビリティが低下するためである。しかし2006年12月の使用上の注意の改訂では、アルコールにより吸収、代謝が変動するため、 塩酸プロプラノロールは作用が減弱、または増強する可能性があるとされている。

海外での文献精査の結果、アルコールとの併用で作用が減弱、また増強する報告が確認されたためである。つまり塩酸プロプラノロールは、 アルコールと併用すると、効果が通常より強くなる場合も、弱くなる場合もあることが分かってきた。
この薬剤は、アルコールとは一緒に服用しないように特に注意したい。

今回処方のインデラルLAカプセル® 60mgは1日1回の徐方型なので、朝の服用として晩酌時には飲まないように服薬指導しておきたい。

(D-20B 今泉真知子)

文献;
Chakrabarti.S.K.,ctal;Indian
J Parnacil.,36(3)209,1992
・Dorian.P.,ctal.Eur.J.Clin.Pharmacol.,27, 209.,1984

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