明日は我が身
雨後の竹の子の如く出来たと記憶している法科大学院、その一つが初の撤退を決定したとする記事(読売新聞,第48228号,2010.5.28.)が掲載されていた。
姫路獨協大法科大学院では、2011年度以降の学生募集の中止を決めた。新司法試験で合格者数が低迷、10年度の入試では合格者がいなかった。在校生17人が終了する時点で大学院を廃止する見込みで、2004年度各地で一斉に開講した法科大学院で初の撤退となるとするものである。法科大学院の卒業生が司法試験に合格しないとすると、ただの人であり、何の役にも立たない。ところで我が薬科大学はどうだ。6年制の導入と同時に無闇に学校・各部が増えたのは法科大学院と同じである。
2010年4月に5年に進学した。まだ卒業生は出ていないが、6年制薬大を卒業したとして、果たして大幅な処遇改善はされるのか。現状から予測する限り、特に処遇が変わるという期待は持てないのではないかと思われる。
更に医療の中心にいるのはあくまで医師であり、医師から独立して薬剤師だけで医療ができる訳でもない。薬科大学の教官の中には、六年制になったことで、医者に互して臨床現場で働けるようになると学生に幻想を振りまいている人がいるようであるが、さてそう思い通りに行くかどうか。
最初の卒業生が出て、あまり代わり映えがしなければ、法科大学院と同じような憂き目を見ないとも限らない。