【90号】「出来ない理由は何なんでしょうか?」
2012年2月18日日本薬剤師会のOTC薬担当者全国会議で、厚生労働省医薬食品局山本薬事企画官は、第1類薬の文書による説明が31.5%という実態に対して「セルフメディケーションという言葉を使うことだけに満足しているなら何の実践にもならない。薬剤師に義務づけられた第1類OTC薬の“文書を用いた詳細な説明”が低いままで30%の薬剤師会と云われたくはないだろう」等と批判的見解を述べた。「新しい薬をスイッチOTC薬化して行く場合、薬剤師が文書で情報提供するから大丈夫というのが制度改正の意味」として10年度の新販売制度定着状況調査(覆面調査)の結果が悪かったことに対して、制度順守の徹底を求めたという。
薬剤師会は薬の通信販売を認めないと主張している。薬の安全性を確保するためには、専門家による対面販売が必要だと行っている。対面販売をする以上、薬の説明をするのは当たり前であり、服用後の有効性チェック、副作用チェックも必要だろう。それが出来ないのではセルフメディケーションに貢献することにならない。厚生労働省は新しい薬のスイッチOTC薬化をしようとしている。その成否は、やはり薬剤師の説明責任に拠っているのではないか。また6年制の卒業生が出てくる。少なくとも彼らを単なる販売業者にしないためには、先輩諸氏が実践してみせることではないか。
1)第1類説明「30%の薬剤師会」でいいのか-厚労省・山本企画官 覆面調査結果に「不満」、日薬会合で叱咤;RISFAX,第6024号,平成24年2月20日