【192号】第16回一般社団法人昭薬同窓会・平成塾スクーリング
第19回平成塾スクーリングは2017.2.19.(日)13:00~16:10 に掛けて町田市文化交流センター5F会議室サルビアにおいて開催された。今回は抗真菌治療薬について昭和薬科大学薬学部准教授の小野寺 敏氏が、抗寄生虫薬について医薬品情報21代表の古泉秀夫が、講義を行った。
「抗真菌剤」では、真菌について細菌よりも形が大きく、より高等な生物として真菌が存在する。真菌を理解しやすくすると「カビ」のことである。キノコはカビの一種として知られているが、種々のキノコも真菌の一種です。また、パンを作る時や酒を醗酵させるときに酵母と呼ばれる菌を使用するが、この酵母も真菌です。
真菌による感染症を真菌症という。真菌症として有名なものに水虫があります。真菌症の中でも「真菌による感染が皮膚表面や角質で留まる場合」を表在性真菌症といいます。表在性真菌症は皮膚表面に感染している真菌を取り除けば良いため、外用薬として塗り薬を使用します。しかし、中には皮下組織や爪などに及ぶ場合が、この時の真菌症を深在性皮膚真菌症(深部皮膚真菌症)と呼びます。さらに、内臓など体内の臓器にまで及ぶ真菌症は深在性真菌症(内臓真菌症)と呼ばれます等、真菌による感染症の概要について述べると共に、治療について、若干の知見を述べた。
「抗寄生虫薬」では、経口感染として①アニサキス症、②クドア食中毒(ヒラメの生食)、③ザルコシスティス症(馬刺し)、④エキノコックス症、皮膚感染として①マダニ類、②疥癬感染症、③ツツガムシ、④シラミ-a.アタマジラミ、b-ケジラミ等について詳細に解説した。