【83号】薬剤師の採用数半減の報道
調剤薬局の全国展開をしている会社の決算説明会で、当初500人を予定していた来春卒業の6年制薬剤師1期生の採用状況に触れ、現在350人に内定を出しているが、実際に薬剤師として確保できるのは250人程度にとどまる可能性もあることを明らかにしたという。
薬学生の卒業者数が当初見込みより大幅に下回る見通しとなった他、国家試験の合格率も低下するとみられていることから「250人採れればいい」ということのようである。ただ100人ほど余裕を持って内定を出しているため、仮に250人になっても現在の出店計画には支障を来さないとする報告をしたという[日刊薬業2011.12.09.p.17]。
来春の新卒者を500人採用したいと考える調剤薬局運営会社があるのも驚きだが、既にこの段階で来春卒業者の見込み数の減少を予測し、国家試験の合格率の低下を予測することの方が驚きである。
4年生から5年生に進級する段階で、既に絞り込みが行われ、6年生はそれなりに選抜された諸君が在籍しているはずである。にもかかわらず卒業生の数が減るという判断は、どこから来たのか。国家試験の合格率が落ちるであろうという予測は、過去問が無い6年制最初の国試であり、どのような傾向の問題が出るのか解らないという点では、読みは当たっているのかもしれない。