2024年度 第4回 代謝・内分泌系及び骨の疾患と治療薬

問題１　甲状腺ホルモンの説明として、正しいのはどれか

a) チロキシンのホルモン作用はトリヨードチロニンより強力b) チロキシンは組織内でトリヨードチロニンに変換されホルモン作用を発揮するc) 血中に放出されたほとんどの甲状腺ホルモンが遊離型として存在するd) 甲状腺ホルモンの分泌量は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン（TRH）で直接的に調整される

問題２　甲状腺機能亢進症の説明として、正しいのはどれか

a) 甲状腺ホルモンの過剰分泌により全身の細胞の新陳代謝が低下する病態であるb) 日本では甲状腺機能亢進症の多くが橋本病であるc) 男女比は１：5と女性に多いd) 発病率は年齢とともに増加する

問題３　甲状腺機能亢進症の説明として、誤っているのはどれか

a) バセドウ病は自己免疫異常であるb) 亜急性甲状腺炎の原因はウイルス感染であるc) 無痛性甲状腺炎は手術や感染症のストレスを契機として発症するd) 甲状腺クリーゼは発生頻度、致死率ともに低い

問題４　甲状腺機能低下症の説明として、正しいのはどれか

a) 患者の年齢は20～40代に多いb) 男女比はほぼ同じc) 40代以降の女性患者では1～2割が慢性甲状腺炎d) 成人の原発性甲状腺機能低下症はバセドウ病によるものが多い

問題５　甲状腺機能低下症の症状として、誤っているのはどれか

a) 体重減少b) 粘液水腫c) 寒がりd) 嗄声

問題６　甲状腺機能亢進症の治療の説明として、誤っているのはどれか

a) チアマゾールはバセドウ病の第一選択薬であるb) 妊婦や授乳婦でも内服は可能c) プロピルチオウラシルの方がチアマゾールと比較して甲状腺ホルモンを早く正常化できるd) ヨード療法は甲状腺機能低下症を生じることがある

問題７　甲状腺機能低下症の治療の説明として、誤っているのはどれか

a) レボチロキシンが第一選択薬となるb) T3製剤はT4製剤より安定した血中濃度が維持できるc) 副腎皮質不全を合併した患者ではステロイド薬を投与してから甲状腺ホルモンを投与するd）新鮮な心筋梗塞のある患者への投与は禁忌である

問題８　副甲状腺ホルモン説明として、誤っているのはどれか

a) 骨に存在する受容体に結合するb) 腎臓に存在する受容体に結合するc) 血清Caが低下すると分泌されるd) 小腸からリンの吸収を亢進する

問題９　副甲状腺機能亢進症の説明として、誤っているのはどれか

a) 原発性および続発性のいずれも過剰分泌が起こるb) 骨代謝異常を起こすc) 慢性腎不全から引き起こされるd) わが国では副甲状腺癌から引き起こされることが最も多い

問題10　副甲状腺機能低下症の説明として、誤っているのはどれか

a) 特発性副甲状腺機能低下症は副甲状腺ホルモン分泌が低下するb) 特発性および続発性副甲状腺機能低下症では高リン血症が起こるc) 特発性と続発性では圧倒的に特発性が多いd) 副甲状腺機能低下症では低Ca血症による神経系の興奮がみられる

問題11　副甲状腺機能障害の治療の説明として、誤っているのはどれか

a) 副甲状腺機能亢進症で骨病変がある場合、活性型ビタミンD3製剤を投与するb) 副甲状腺機能亢進症で高Ca血症に対しループ系利尿薬は使用しないc) 副甲状腺機能低下症のテタニー発作時にはCa製剤の静注を行うd) 副甲状腺機能低下症では活性型ビタミンD3製剤が長期投与される

問題１　骨粗鬆症に関する説明として、正しいのはどれか

a) 骨強度は骨質で決まるb) 有病率は年齢と関係しないc) 女性より男性が多いd) 骨折の好発部位は椎骨と大腿骨頸部である

問題２　骨粗鬆症に関する説明のうち、正しいのはどれか

a) 骨粗鬆症は骨質が低下した病態であるb) 骨基質と骨塩を合わせて骨量というc) 骨量が低下した状態では骨基質と骨塩の割合は一定ではないd) 骨のリモデリングでは骨芽細胞により骨吸収がすすむ

問題３　骨密度に関する説明のうち、誤っているのはどれか

a) 骨密度とは骨質のことであるb) 骨は骨基質と骨塩から構成されているc) 骨密度測定では骨塩量を測定するd) 骨密度測定には二重エネルギーＸ線吸収測定法が汎用されている

問題４　骨粗鬆症の検査・診断に関する説明のうち、正しいのはどれか

a) 骨委縮度の判定にＸ線像を用いるb) 骨代謝マーカーで骨吸収は判定できるが骨形成の判定はできないc) 骨代謝マーカーは骨代謝活動の評価には有効だが簡便ではないd) 骨粗鬆症の診断では危弱な骨折は無視される

問題５　骨粗鬆症の治療に関する説明のうち、誤っているのはどれか

a) 骨粗鬆症の治療目標は骨折を予防しQOLの維持・改善を図ることb) 高齢者は食事からCaをとることが困難なのでビタミンＫの摂取が最も推奨されるc) 高齢者の運動療法は安全面からウォーキングが適しているd) 運動することで骨芽細胞は活性化される

問題６　骨粗鬆症治療薬に関する説明のうち、誤っているのはどれか

a) 原発性骨粗鬆症で骨折リスクが高い患者にはビスホスホネート製剤が第一選択薬となるb) 閉経後の女性で椎体骨折のリスクが高い患者には選択的エストロゲン受容体モジュレーターを第一選択薬とするc) 高齢者では安全面から複数の薬剤が使用されることはないd) ステロイド薬の使用により誘発される骨粗鬆症ではではビスホスホネート製剤の使用が推奨される

問題７　ビスホスホネート製剤についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 骨に滞留する期間が長いb) 多価の陽イオンとキレートを形成して吸収が低下するc) 服薬は朝食後直ぐが望ましいd) 侵襲的歯科治療を行う場合は休薬や投与中止を検討する必要がある

問題８　選択的エストロゲン受容体モジュレーターについての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 骨吸収を抑制するb) エストロゲン依存性腫瘍の発生を抑制する作用を有するc) 静脈血栓塞栓症の発症リスクがあるd) 薬剤の吸収は食事の影響を受けやすく空腹時に服用しなければならない

問題９　活性型ビタミンD₃製剤についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 小腸でCaの吸収を促進するb) 腎臓ではCaの再吸収を促進するc) 骨格筋を脆弱にするd) 高齢で腎機能が低下している場合でも使用できる

問題10　関節リウマチに関する説明のうち、誤っているのはどれか

a) 全身性自己免疫疾患であるb) 手の関節炎は高頻度に生じるc) 手の関節炎は障害の程度が大きいd) 発症の初期からレイノー症状が起きる

問題11　関節リウマチの治療に関する説明のうち、誤っているのはどれか

a) 関節リウマチの治療目標は関節破壊の進行を阻止することb) メトトレキサートは関節リウマチの早期から使用されるc) 免疫調節薬は炎症自体を抑えるd) NSAIDsは関節破壊の抑制効果はない

問題12　次の薬物のうち生物学的製剤（ｂDMARD）ではないものはどれか

a) インフリキシマブb) エタネルセプトc) トシリズマブd) トファシチニブ