2024年度 第2回 神経・筋疾患と神経疾患の病態生理と薬物療法

問題１　パーキンソン病の説明として、誤っているのはどれか

a）脳内ドパミンの不足b）脳内ドパミンの過剰c）運動機能障害d）精神症状

問題２　パーキンソン病の説明として、誤っているのはどれか

a）発症年齢は 50~65 歳に多いb）高齢になるほど発病率が増加するc）欧米で多く見られるd）一般に予後は悪い

問題３　パーキンソン病の重症度分類についての説明のうち、正しいのはどれか

a）ステージ1〜4に分類されるb）進行度による分類は一般的ではないc）ホーン・ヤールの重症度分類が多く用いられているd）いずれのステージでも医療費補助の対象となる

問題４　パーキンソン病の説明について、誤っているのはどれか

a）薬物治療は最も大切であるb）リハビリテーションは重要であるc）レボドパ長期投与は副作用もなく推奨されているd）ドパミン受容体刺激薬はレボドパと併用可能である

問題５　パーキンソニズムの説明として、誤っているのはどれか

a）動作が遅くなること（動作緩慢、無動・寡動）は必ず見られるb）筋強剛または姿勢保持障害の片方または両者が見られるc）パーキンソン病を疑う初期診断に用いられるd）パーキンソニズムを示す疾患はパーキンソン病以外にも多い

問題６　パーキンソン病の治療薬と括弧内に示す分類で、誤っているのはどれか

a）レボドパ（ドパミン補充薬）b）ブロモクリプチン（ドパミン補充薬）c）アマンタジン（ドパミン放出促進薬）d）セレギリン（MAO-B阻害薬）

問題７　てんかんの説明として、誤っているのはどれか

a）大脳の神経細胞に突然発生する激しい電気的な興奮b）急性脳疾患症候群であるc）発作の繰り返しを特徴とするd）小児と高齢者に多く見られる

問題８　てんかんの分類について、誤っているのはどれか

a）全般と焦点に大別されるb）全般てんかんは突発性と症候性に分類されるc）焦点てんかんは突発性と症候性に分類されるd）症候性てんかんは突発性と比べて寛解率が高い

問題９　てんかんについて、誤っているのはどれか

a）人口100人のうち約1人が発症するb）発病年齢は3歳以下に多いc）30-40代成人ではストレス等により発症率が上がるd）60歳以上の高齢者では脳血管障害等により発症率は増加傾向にある

問題10　てんかん発作分類について、誤っているのはどれか

a）てんかん発作分類はてんかん分類とほぼ同義語であるb）てんかん発作分類は薬物選択に有用であるc）強直間代発作や欠神発作は全般発作に分類されるd）焦点発作では脳のある領域のみに過剰な電気的興奮を起こしている

問題11　高齢者のてんかんについて、誤っているのはどれか

a）年齢別では小児に次いで多いb）てんかん患者の約半数が高齢者であるc）症候性（二次性）が90％を占めるd）再発率は高い

問題12　てんかんの治療薬について、誤っているのはどれか

a）バルプロ酸（VPA）は全般発作の第1選択薬であるb）カルバマゼピン（CBZ）は焦点発作の第1選択薬であるc）ジアゼパム（DZP）は発作重積の第1選択薬であるd）第1選択薬が無効な場合は速やかに第2選択薬に移行する

問題１　うつ病の精神症状のうち、誤っているのはどれか

a）悲哀感b）思考障害c）自殺念慮d）不眠

問題２　うつ病についての説明のうち、正しいのはどれか

a）成因の1つに遺伝的要素も挙げられているb）モノアミン神経系を作用点とした治療薬のみが使用されているc）生涯有病率は7％で男女差はないd）一次的に身体症状が認められる

問題３　うつ病の治療法のうち、誤っているのはどれか

a）薬物療法b）精神療法c）迷走神経電気刺激療法d）光療法

問題４　うつ病についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）SSRIやSNRIが第1選択薬として使用されるb）TCAは抗コリン作用が強く、眠気や立ちくらみなどの副作用を発現するc）抗うつ病薬は一般に即効性な薬剤が多いd）抗うつ病薬の投与にあたっては丁寧な服薬指導が求められる

問題５　双極性障害についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）双極I型障害、II型障害、気分循環性障害などに分類されるb）生涯有病率はうつ病とほぼ同じ7％で男女差はないc）再発率は高く、慢性で経過することが多いd）炭酸リチウムなどの気分安定薬を用いた薬物療法が中心となる

問題６　双極性障害についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）炭酸リチウムは気分の波を抑え、躁状態になるのを防ぐb）炭酸リチウムの有効血中濃度は広いので用量や投薬時の注意点は特にないc）抗てんかん薬バルプロ酸は躁状態の治療に用いられるd）第2世代抗精神病薬オランザピンは躁うつ双方に改善が期待できる

問題７　不安症についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）心因性精神障害であるb）成因として親の過干渉やストレス耐性の弱さ、対人関係の葛藤や大きな災害などがあるc）不安症や恐怖関連症候群、強迫症、ストレス関連症候群などに分類されるd）若年層で出現し、加齢とともに増加する傾向にある

問題８　不安症の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）患者の話を傾聴する精神療法と薬物療法が併用されるb）抗不安薬としてBZ系及びTPA系が使用されるc）BZ系抗不安薬は情動と関係する大脳辺縁系に作用するd）アザピロン誘導体はセロトニン受容体を刺激することにより効果を得る

問題９　不安症の薬物療法についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）不安症には抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬等が利用されるb）全般性不安症にはSSRIが第1選択薬となるc）パニック発作の予防には三環系抗うつ薬が有効であるd）不安発作予防にはSSRIが有効である

問題10　睡眠障害の説明のうち、誤っているのはどれか

a）睡眠の質や量に問題があり、日常生活に支障をきたす症状を指すb）不眠症と過眠症に分けられるc）不眠症は睡眠問題が2週間以上続く症状を指すd）ナルコレプシーとは神経伝達障害で起こる

問題11　不眠症の基本的診断基準に入っていないのはどれか

a）入眠困難、睡眠維持障害、早朝覚醒b）眠る機会や環境が適切であるにもかかわらず睡眠障害が起こるc）夜間睡眠障害時、疲労や注意力散漫、眠気等の日中での障害が起こるd）眠りの浅さを感じ熟睡感の欠落

問題12　不眠症の説明のうち、誤っているのはどれか

a）不眠症の問題点は日中に不調が出現することであるb）一般成人の20〜40％が何らかの不眠症状を有しているc）うつ病など他の睡眠障害を伴う精神疾患も不眠症として扱うd）60歳以上では半数以上で不眠症状が見られる

問題13　睡眠障害への対処法についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）就寝・起床時間を一定にするb）睡眠時間を一定にするように心がけるc）太陽の光を浴びるd）不眠恐怖の悪循環を断つ

問題14　不眠症の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）バルビツール系睡眠薬は安全性や耐薬性の問題から見直されているb）BZ系睡眠薬には依存があるので長期連用は避けるc）非BZ系は化学構造が異なっているがBZ受容体に作用するd）オレキシン受容体拮抗薬は入眠障害や睡眠維持困難を改善する

問題15　ナルコレプシーについての説明のうち、誤っているのはどれか

a）オレキシンを作り出す神経細胞の変性・脱落が直接的な原因とされているb）我が国での有病率は欧米の0.02～0.04%と比べて0.16～0.59%と高いc）主たる成因は遺伝要因とされているd）日中の発作には中枢神経刺激薬を使用する

問題16　ナルコレプシーの治療薬についての説明のうち、誤っているのはどれか

a）ベモリンはシナプス前ドパミントランスポーターによる再取り込みを阻害するb）情動性脱力発作には三環系抗うつ薬やSSRIを用いるc）入眠時幻覚に対しては第二世代抗精神病薬を用いるd）中枢神経刺激薬はその作用のため夕刻以降の使用は避ける