2023年度 第4回 悪性腫瘍の病態生理と薬物療法

問題１　肺癌の説明として、誤っているのはどれか

a) 気管に発生するb) 肺胞に発生するc) リンパ節転移は稀に見られることがあるd) 転移が多く見られる組織は脳、肝臓、骨である

問題２　肺癌の組織型の説明として、誤っているのはどれか

a) 肺癌の組織型はX線検査及び血液検査で決定するb) 肺癌の代表的な組織型には小細胞がんが含まれるc) 肺癌の組織型の1つに腺がんがあるd) 肺癌の組織型の1つに扁平上皮がんがある

問題３　肺癌の病態についての説明のうち、正しいのはどれか

a) 腺がんの多くは進行が速いb) 扁平上皮がんは肺野部（末梢）にできるものが多いc) 大細胞がんの増殖は遅く、発見時には大きな塊となっていることが多いd) 小細胞がんは転移しやすく悪性度が高い

問題４　肺癌の成因について、誤っているのはどれか

a) 大気汚染b) 光化学スモッグc) 喫煙d) アスべスト

問題５　肺癌の疫学の説明として、誤っているのはどれか

a) 肺癌の死亡率は最も高いb) 女性の肺癌の死亡率は年々高まっているc) 我が国での肺癌の頻度は欧米に比べかなり低いd) 喫煙は肺癌の成因として今後とも増えることが予想されている

問題６　肺癌の治療について、誤っているのはどれか

a) 治療法は病期診断に基づいて選択されるので、正確な病期診断が必須であるb) 非小細胞がんの病期ステージI~II及びIIIの一部には外科療法が選択されるc) 非小細胞がんの病期Ⅳに対しては化学療法が標準治療であるd) 小細胞がんの早期限局型の場合、外科療法と術後化学療法が選択される

問題７　肺癌の薬物療法の説明として、誤っているのはどれか

a) 細胞障害性抗癌剤が最も多用されるb) 免疫チェックポイント阻害剤は非小細胞癌で用いられるc) 血管新生阻害薬の重篤な副作用として1型糖尿病の誘発があるd) 分子標的治療薬による副作用が認められた場合には投与中止とともにステロイド剤などの投与を行う

問題８　高齢な肺癌患者の治療について、誤っているのはどれか

a) 高齢者を75歳以上と定義しているb) 高齢患者に対し副作用の少ない薬剤を選択することがあるc) 治療を行わないことも選択肢の1つとなっているd) 肺癌は予後不良な腫瘍であるので、がん以外の疾病に優先して治療を進めるのが一般的である

問題９　腎癌について、誤っているのはどれか

a) 腎に限局する小さな腎癌は90％以上治癒するb) 女性は男性の約2倍の発症率であるc) 危険因子には喫煙、肥満、高血圧が挙げられているd) 腎癌の死亡率は全がん死亡の1％を占め、増える傾向にある

問題10　腎癌の病態について、誤っているのはどれか

a) 初期の場合、自覚症状はほとんどないb) 特徴的な症状として血尿、腹部腫瘤、腰背部痛が知られているc) 自覚症状として排尿障害が現れることがあるd) 超音波などの画像診断が有効である

問題11　腎癌の診断と治療について、誤っているのはどれか

a) 検診時の画像検査で腎腫瘤として発見されることが多いb) 画像診断には腹部エコー検査やCT検査が有用であるc) 外科療法は遠隔転移のないケースに適応されるd) 有用な腫瘍マーカーとしてPSAが用いられている

問題12　腎癌の化学療法について、誤っているのはどれか

a) 病期III〜IVの転移例では分子標的薬が1次治療の標準治療となっているb) 低リスク〜高リスクの淡明細胞腎癌には免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用療法が用いられるc) サイトカイン療法は進行癌の1次療法として多用されているd) 免疫チェックポイント阻害薬としてイピリムバムとニボルマブが併用される

問題13　前立腺癌について、正しいのはどれか

a) 前立腺肥大症から癌に移行する場合があるb) 加齢とともに増加し、高齢者に多くみられるc) 一般に進行は速いので、早期に対処する必要があるd) 前立腺肥大症とは異なり、頻尿や残尿感などは稀である

問題14　前立腺癌の病態・症状について、誤っているのはどれか

a) 男性の悪性腫瘍で罹患率は最も高いb) 前立腺癌の死亡率は肺がんに次いで多いc) 進行癌では血尿が見られる場合があるd) 転移により骨髄を圧迫することがある

問題15　前立腺癌の診断・治療について、誤っているのはどれか

a) 直腸診は有用な診断法であるb) 血清PSA検査により前立腺の異常を発見できるc) 血清PSA値の上昇は悪性腫瘍に起因することが多いd) 転移がない場合の全摘出手術は根治につながることが多い

問題16　前立腺癌の治療について、誤っているのはどれか

a) 放射性感受性が低いため放射線療法はほとんど不適用であるb) ホルモン療法は増殖に必要なアンドロゲンを断つ治療法であるc) 前立腺肥大症治療薬デュタステリドはPSA値を上げる作用があるd) 非ステロイド性フルタミドは劇症肝炎等の重篤な副作用がある

問題17　膀胱癌について、誤っているのはどれか

a) 大部分は尿路上皮粘膜細胞に発生するb) 数％ではあるが扁平上皮がんや腺がんも認められるc) 膀胱壁へのがん組織の深達度及び転移の有無によって分類されるd) 多くは無症状であるが、進行すると痛みの伴う血尿が見られる

問題18　膀胱癌について、誤っているのはどれか

a) 似たような症状を呈する疾患として腎臓がん、前立腺肥大症、前立腺がんがあるb) 喫煙は成因の約50％を占めるので喫煙経験のある高齢者は定期検診の受診が推奨されるc) 腫瘍確認のために膀胱鏡検査や腹部超音波検査が行われるd) 確定診断のために経尿道的膀胱腫瘍切除術TURBTを行う

問題19　膀胱癌の検査・診断について、誤っているのはどれか

a) 尿細胞診は尿中のがん細胞を検出するために行うb) 尿検査時に腫瘍マーカーNMP22やBTAを測定するc) CT尿路造影では膀胱の筋層に及んでいる癌を検出できるd) 転移確認のため全身CT検査やMRI検査を行う

問題20　膀胱癌の治療について、誤っているのはどれか

a) TURBTにより表在性と診断された場合、抗がん剤やBCG投与を行うb) 進行癌が高齢者に見つかった場合BCG投与が標準治療となっているc) 転移がない筋層浸潤性の標準治療は膀胱全摘除術であるd) 転移のある進行癌の場合はGC療法が第1選択となる

問題１　次の子宮癌の説明のうち、誤っているのはどれか

a) 子宮体癌の罹患率は全子宮癌の約40％を占めるb) 欧米での子宮体癌の罹患率は本邦より高いc) 本邦では 子宮体癌は減少傾向にあるd) 子宮頸癌の罹患率は発展途上国で高い

問題２　次の子宮体癌についての説明のうち、正しいのはどれか

a) 子宮体癌は20代で増加し50代では減少傾向になるb) 子宮体癌は子宮の入口部分に発生した腺癌であるc) 子宮体癌の再発は多くの場合5年を超えるd) 子宮体癌の危険因子として未経産が挙げられる

問題３　次の子宮頸癌についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 全ての子宮頸癌患者からヒトパピローマウイルスが検出されるb) ヒトパピローマウイルスの持続感染により前癌病変の発生が高まるc) ヒトパピローマウイルスに感染した女性が子宮頸癌に至る割合は10％程度であるd) ヒトパピローマウイルス保有成人男性から感染することがある

問題４　次の子宮体癌についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 90％の患者に不正出血が認められるb) エストロゲン依存性腫瘍は若年に多く予後良好であるが、割合は少ないc) エストロゲン非依存性の腫瘍は高齢者に多く、予後不良であるd) 病期の決定は病理診断による

問題５　次の子宮癌についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 子宮体癌治療の第1選択は手術であるb) 進行子宮体癌には白金製剤を中心とした薬物療法が行われるc) 子宮頸癌の場合は手術療法と放射線療法が選択されるd) 子宮頸癌の再発予防に子宮頸癌予防ワクチンは有効である

問題６　次の卵巣癌についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 1次治療は病期による標準治療を施行するb) 腫瘍が疑われた場合、術前化学療法を取ることがあるc) 進行度が進むまで無症状であるd) 加齢とともに増加し、高齢者に多い

問題７　次の卵巣癌についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 散発性卵巣癌は排卵回数と関係しているb) 家族性卵巣癌と子宮体癌の原因遺伝子は同じであるc) 死亡率の高さは早期発見の難しさと関係しているd) 年齢も危険因子の1つである

問題８　次の卵巣癌の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 腫瘍が疑われた場合、まず手術を行うのが第1選択となるb) 薬物療法にはタキサン系と分子標的薬の併用療法が主となるc) 診断には触診やエコーやMRIなどの画像検査が用いられるd) 初発の場合、細胞障害性抗がん薬が有効である

問題９　次の卵巣癌の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 再発腫瘍に対しても薬物治療が中心となるb) 脳転移した卵巣癌には放射線療法を用いることがあるc) 維持療法とは生存期間を長くすることを目的とした薬物療法のことであるd) 腫瘍マーカーCA125は効果的な指標となる

問題10　次の乳癌の説明のうち、誤っているのはどれか

a) 乳房のしこりは乳癌細胞のかたまりで、乳癌の初期症状であるb) 基底膜の破壊により血流に腫瘍細胞が流出可能となるc) 浸潤癌は基底膜の破壊後に起こるd) 乳腺の最も末梢側にある小葉・乳管から発生する

問題11　次の乳癌の説明のうち、誤っているのはどれか

a) 乳癌の女性死亡率は胃がんを抑えて第4位であるb) 乳癌は50年前と比較してもほとんど増えていないc) 乳癌の女性での罹患率は第1位であるd) 乳癌の男性での罹患率は女性の1/100である

問題12　次の乳癌の説明のうち、誤っているのはどれか

a) 乳癌は比較的若い世代からみつかるb) 出産、授乳は乳癌のリスクを低下させるc) 70-80歳の高齢者が発生のピークであるd) 閉経後の肥満は発癌のリスクを高める

問題13　次の乳癌の説明のうち、誤っているのはどれか

a) 非浸潤型乳癌の治癒率（5年生存）は99％を超えるb) 乳癌の9割が非浸潤型であるc) 遠隔転移の多い組織として骨、肺、リンパ節、脳、肝臓などがあるd) 大豆食品の摂取や適正体重の維持は再発予防に有効である

問題14　次の乳癌の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) 病期I〜IIIAでは手術が優先されるb) 乳房温存術を施した患者への放射線療法はほとんど無効であるc) リンパ節転移を疑われる症例に対し放射線療法を行うd) 術前化学療法は乳房温存に効果がある

問題15　次の乳癌の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) HER2陽性腫瘍では術前及び術後化学療法にトラスツズマブを用いるb) 内分泌療法の効果がない場合には抗がん薬治療を行うc) 内分泌療法はER陰性患者に適用されるd) 変異BRCA遺伝子が認められた場合にPARP阻害薬オラパリブを使用する

問題16　次の乳癌の治療についての説明のうち、誤っているのはどれか

a) ER陽性HER2陰性転移癌で再発まで短期間の場合、内分泌療法から開始するb) ER陽性HER2陰性転移癌で広範な肝転移や肺転移がある場合、化学療法から開始するc) HER2陽性転移・再発癌に対してはトラスツズマブとペルツズマブと抗がん剤を組合せて使うd) PD-L1高発現癌には免疫チェックポイント阻害薬と抗がん薬の併用が有効である