2021年度 シリーズ3 まず習得したい︕虚血性心疾患の病態生理と薬物療法

問題１　心電図でわかるのはどれか。

a）最低血圧b）心拍出量c）心筋の収縮力d）房室伝導時間

問題２　心臓に対する自律神経支配の記述のうち、正しいのはどれか。

a）副交感神経が興奮すると心拍数は増加する。b）交感神経が興奮すると心拍数は減少する。c）副交感神経が興奮するとアセチルコリンが遊離される。d）交感神経が興奮するとドパミンが遊離される。

問題３　冠状動脈を拡張する因子はどれか。

a）レニンb）アドレナリンc）酸素分圧の上昇d）一酸化窒素

問題４　虚血性心疾患とその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。

a）労作性狭心症の発作の原因は冠動脈の攣縮である。b）心筋梗塞発作後、数時間で心電図のST波の低下が認められる。c）硝酸薬は耐性を生じることがあるため、テープ剤や軟膏剤の場合には休薬期間を設けることが推奨される。d）アドレナリンβ遮断薬は冠動脈が攣縮している狭心症の第1選択薬である。

問題５　ATP感受性K⁺チャネル開口による狭心症治療薬はどれか。

a）硝酸イソソルビドb）ニコランジルc）ニフェジピンd）カルテオロール

問題６　L型Ca²⁺チャネルを遮断することにより冠動脈の拡張作用を示すのはどれか。

a）ニトログリセリンb）ジピリダモールc）アルプレノロールd）ジルチアゼム

問題７　ニトログリセリンに関する記述のうち、正しいのはどれか。

a）脳血管は拡張しない。b）冠状動脈の太い部分を強く弛緩させる。c）静脈を拡張する作用は弱い。d）血管平滑筋の弛緩作用は細胞内サイクリックAMPの増加による。

問題８　虚血性心疾患治療薬とその作用機序の組み合わせのうち、誤っているのはどれか。

a）アムロジピン ------------ カルシウム拮抗作用b）硝酸イソソルビド ------- 一酸化窒素遊離作用c）アテノロール ------------ アドレナリンβ受容体遮断作用d）チクロピジン ----------- ホスホジエステラーゼ阻害作用

問題９　心筋梗塞の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。

a）心筋梗塞の胸痛発作にはモルヒネが用いられる。b）リドカインはその局所麻酔作用による鎮痛作用の目的で治療に用いられる。c）ウロキナーゼは冠状動脈の血栓の溶解目的で使用する。d）心筋梗塞の治療に血栓溶解薬を用いることが多いが、胃潰瘍、頭蓋内出血性疾患がある場合は禁忌である。

問題10　急性心筋梗塞において上昇のピークが最も早い逸脱酵素はどれか。

a）ASTb）ALTc）LDHd）CPK

問題11　虚血性心疾患の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。

a）ニトログリセリンは一酸化窒素を遊離してグアニル酸シクラーゼを活性化して血管を拡張させる。b）メトプロロールは選択的アドレナリンβ1受容体を刺激して心機能を抑制する。c）アルテプラーゼは 選択的に循環血液中の組織プラスミノーゲンの活性化を抑制し、血栓溶解を促進する。d）ニコランジルはATP感受性K+チャネルを遮断して、冠状動脈を拡張させる。

問題12　心筋梗塞の治療薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。

a）心筋梗塞の胸痛発作にはモルヒネが用いられる。b）アスピリンは血小板のシクロオキシゲナーゼを阻害して、血小板凝集を抑制し、血栓形成を抑制する。c）心筋梗塞による胸痛発作はニトログリセリンによって除かれることが多い。d）ジルチアゼムには心機能抑制作用もあり、心仕事量を軽減し、心筋酸素消費量を減少させることが期待できる。

問題13　63歳男性。狭心症の治療のため、内科からがカルシウム拮抗薬のアムロジピンが処方され服用していた。薬剤の服用後にめまいやふらつきを感じることがあり薬局を訪れた。

薬剤師がこの患者に聞き取りを行ったところ、最近、夜にグレープフルーツジュースを飲むようになったとのことであった。この患者におけるグレープフルーツジュース中の原因物質とカルシウム拮抗薬の相互作用の発現機序と考えられるのはどれか。

a）小腸の代謝酵素であるCYP3A4を阻害する。b）小腸の代謝酵素であるCYP3A4を増強する。c）肝臓の代謝酵素であるCYP3A4を増強する。d）小腸P－糖タンパク質に対する競合阻害

問題14-15　65歳男性。高血圧症。冠動脈疾患治療のため、3年前に経皮的冠動脈形成術を受け、薬物を使用していた。その後、症状の悪化のため、開胸心臓手術の適応となり手術目的で入院した。

問題14　以下の薬物のうち、手術前に出血予防のための休薬期間を要し、さらにCYP2C19遺伝子多型により体内動態が影響を受ける薬物はどれか。

a）アスピリンb）アテノロールc）テルミサルタンd）クロピドグレル

問題15　この患者の手術時の血圧コントロールのために、ニトログリセリン注25mg/50mL便を輸液ポンプで点滴静注する予定である。ニトログリセリンの薬理作用の機序として、正しいはどれか。

a）アデノシン二リン酸受容体サブタイプP2Y12を不可逆的に阻害し血小板凝集を抑制する。b）一酸化窒素を遊離して、グアニル酸シクラーゼを活性化してサイクリックGMPを増大させる。c）キニナーゼを阻害して、ブラジキニン量を増加させる。d）ホスホリパーゼA2を阻害して、プロスタグランジンの生成を抑制する。

問題１　閉塞性動脈硬化症に関する記述のうち、正しいのはどれか。

a）橈骨動脈に好発する。b）粥状硬化が原因である。c）末梢血流量が増加する。d）歩行によって痛みが改善する。

問題2　心原性ショックで直ちに現れる徴候はどれか。

a）血圧の上昇b）血圧の低下c）尿量の増加d）体温の上昇

問題3　心原性ショックで心拍出量を増強させるための、第１選択薬のカテコラミン強心薬はどれか。

a）ジギタリスb）ドブタミンc）ミルリノンd）アミノフィリン

問題4-5　71歳男性。3年前に慢性閉塞性動脈硬化症と診断されたが、自覚症状は無く弾性靴下によるフットケアと運動療法を行っていた。最近痛みと跛行が出てきたので、薬物療法も実施することとなった。

問題4　閉塞性動脈硬化症に関する記述のうち、正しいのはどれか。

a）若い女性に好発する。b）間欠性跛行が特徴的症状である。c）上肢の動脈血管に多発する。d）患肢に熱感がある。

問題5　この患者の治療薬として適切でないのはどれか。

a）クロピドグレルb）チクロピジンc）サルポグレラートd）シロスタゾールe）ドブタミン