2021年度 もっと知りたかった代謝性疾患と心臓・血管系疾患及び内分泌系疾患の薬物療法

問題1 高尿酸血症・痛風の病態説明として、誤っているのはどれか。

a）高尿酸血症とは、血漿中の尿酸溶解濃度である7.0mg/dLを正常上限とし、これを超える病態。b）痛風とは、激痛を伴う急性関節炎発作を主症状とした症候群。c）病型は尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型に分類できる。d）痛風患者の約90%が女性で、これほど男女差のはっきりした病気は少ない。

問題2 高尿酸血症・痛風の病態説明として、誤っているのはどれか。

a）高尿酸血症の発症には遺伝因子に加えて環境因子も影響する。b）尿酸はアミノ酸の一種であるプリン体の代謝最終産物であり尿中に排泄される。c）尿酸は難溶性であり、下肢等の低体温部で血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると過飽和の状態となり尿酸塩が析出する。d）高尿酸血症の慢性期になると関節の障害だけでなく尿路結石や腎障害を引き起こす。

問題3 高尿酸血症・痛風の治療説明として、誤っているのはどれか。

a）高尿酸血症の治療目的は痛風の防止をするだけでなく、虚血性心疾患や脳血管障害を発生させないことでもある。b）過食、常習飲酒、運動不足、過度のストレス等の生活習慣は高尿酸血症の原因でもあり改善は必須。c）アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットは尿酸排泄促進薬。d）腎機能が中等度以上障害された症例では、尿酸生成抑制薬を用いる。

問題4 高尿酸血症・痛風の治療説明として、誤っているのはどれか。

a）コルヒチンは痛風発作の緩解・予防を目的とし、尿酸排泄作用もある。b）NSAIDsは痛風発作の極期に短期間比較的大量に投与する。c）ステロイド薬はNSAIDsの効果がない場合等経口投与する。d）ステロイド薬の使用では徐々に減量する。

問題5 コルヒチンについて、誤っているのはどれか。

a）ロイコトリエンB4やインターロイキン8は白血球や好中球の走化因子。b）コルヒチンはロイコトリエンB4やインターロイキン8に対する反応を顕著に抑制しない。c）重大な副作用として、再生不良性貧血等の血液障害、抹消神経障害がある。d）過量投与により腹痛等胃腸障害やけいれん等の急性中毒症が生じる。

問題6 NSAIDsについて、誤っているのはどれか。

a）アラキドン酸からプロスタグランジンが合成されるのを阻害する。b）鎮痛作用はあるが、消炎作用はない。c）痛みが軽減しても日常生活に支障をきたす場合は、常用量投与することがある。d）胃障害、腎障害、ワルファリンとの相互作用に注意する。

問題7 べンズブロマロンについて、誤っているのはどれか。

a）尿酸排泄作用が強く、高頻度に使用される。b）腎尿細管における尿酸トランスポーターを阻害する。c）投与開始から少なくとも6ヵ月は肝機能検査を定期的に行う。d）他剤との相互作用は少なく、重篤な肝障害の報告はない。

問題8 アロブリノールについて、誤っているのはどれか。

a）アロブリノールは尿酸排泄促進薬である。b）キサンチンから尿酸への酸化反応を競合的に阻害する。c）テオフィリン、ワルファリンとの併用では相互作用に注意する。d）中等度以上の腎機能障害や尿酸結石の合併がある場合にも選択される。

問題9 フェブキソスタットについて、誤っているのはどれか。

a）フェブキソスタットは尿酸生成抑制薬である。b）キサンチンオキシダーゼの作用を阻害することにより尿酸生成を抑制する。c）通常1日1回の服用でよい。d）中等度までの腎機能低下患者には投与できない。

問題10 尿アルカリ化薬について、誤っているのはどれか。

a）クエン酸カリウムとクエン酸ナトリウムの配合剤は尿アルカリ化薬である。b）高尿酸血症における酸性尿を改善する。c）結石防止のため過度の尿アルカリ化は避ける。d）アロブリノールなどの尿酸排泄促進薬使用時には尿アルカリ化薬を併用して尿路結石を防止する。