昭薬同窓会会員の皆様へ ~ 昭和薬科大学学長就任のご挨拶
学長就任にあたって
昭和薬科大学 学長 宇都口直樹
本年4月より学長を拝命いたしました宇都口直樹です。同窓会会員の皆様にご挨拶させていただく機会を与えていただき誠にありがとうございます。
私は平成7(1995)年4月に本学薬剤学研究室の助手として採用いただきました。当時は松本光雄教授、渡辺善照助教授、藤井まき子講師、松本宜明講師、そして私という5人体制の研究室でした。7年間の勤務の後、縁あって帝京大学薬学部に異動し、そこで14年間勤務後、再度、昭和薬科大学薬剤学研究室の教授として戻って参りました。再任2年目からは学長補佐、3年目からは副学長を拝命し、6年間副学長をつとめた後、現在に至ります。
私にとって社会人のスタートは昭和薬科大学であり、助手、講師として働いていた当時、学生との距離も近く、研究にも遊びにも全力で、とにかく楽しい思い出ばかりで、大学教員という仕事を選んで本当に良かったと思える時期だったと思います。
再任後は、3年目から副学長となり、大学運営に仕事内容がシフトしていき、今年度から研究室を離れ、学長専任となり大学運営に注力しております。
さて、皆様もご存知かと思いますが、現在の私立薬系大学をとりまく環境は大変厳しいものです。現在、私立薬系大学は60校を超え、この乱立ともいえる状況で、この春の入学者数が定員80%未満となった「定員割れ」の大学が1/3以上という状況となりました。来年度、入学者募集を行わない大学もあり、また今後、入学定員を減らさざるを得ない大学も多数出ると予想され、私立薬系大学淘汰の時代が迫ってくると思われます。
一方で、社会が求める薬剤師の役割は高度化し、今後は社会で活躍できる人材を輩出できる薬系大学のみが生き残っていけるものと思います。本学は、いわゆる見かけの薬剤師国家試験合格率は、全国平均程度と伝統校としては今ひとつであり、諸先輩方からお叱りをうけることもございます。しかし、修業年限内卒業率(一度も留年せずに、6年間で卒業する率)はここ数年、私立薬系大学ベスト10入りをしており、またストレート合格率(6年間で卒業し、国家試験にも1回で合格)も70%を超え、私立薬系大学でも十数位を保っており、現在の本学の大きな長所となっています。これも、本学の伝統であり、教員と学生の距離が近く、きめ細やかな対応を行っていることが大いに関係していると思います。
さて、本年4月初旬、業界紙に「第三者評価」のことが掲載され、本学が「教育課程に問題」という見出しが出ておりました。見出しだけを見ると、「不適合」の判定となったと誤解されるものですが、ご安心ください。本学は大学基準協会、薬学教育評価機構とも「適合」の認定を受けております。もちろん改善すべき点は多々あり、特に薬学教育評価機構から数多く教育課程の問題点について指摘を受けました、今後は改善に務め、社会で活躍できる人材の輩出にさらに注力して参ります。
今後も、同窓会の皆様からの伝統ある母校への温かいご支援をこれらかも末永くお願い申し上げます。