代表短信

新コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する対応

2020/03/30会長短信

新コロナウイルス感染症(COVID-19)による社会生活全般への影響が世界規模で大きくなっている。様々なニュースが飛び交う中で、病院を始めとする医療機関内での感染の広がりのニュースには心を痛める。院内感染の危険性と対策について初めて耳にしたのは山口恵三先生(東邦大学名誉教授、故人、1945-2019)からで、20年ほど前のことであったと記憶している。先生は常々院内感染対策が中々浸透しないと嘆いておられた。現在のこの報道を先生は泉下でどのように受け止められているのであろうか。山口先生の教えを受けた門下の方々が専門家会議や報道番組等で活躍されているのを喜んでいるかも知れないが、そればかりとは思えない。医療の専門家であっても感染予防は中々徹底されていないのが実情である。病原体名と疾患名の区別すらできず混同して使っている報道機関が多い中で、新コロナウイルス感染症(COVID-19)について一般の人々への対応を呼びかけたまともなHPを見つけたので紹介する。

米国メリーランド州バルチモアにあるジョンズホプキンス大学医学部(Johns Hopkins Medicine)のHPの特設サイト[Coronavirus (COVID-19)]の中の「Protecting Yourself and Others」で紹介されている内容を解説する。
「あなた自身や他の人を防御するか」のコーナーは危険性の高い人々(Who is at higher risk?), どうやって自分自身を守るか(How Can I Protect Myself (and Others) from the New Coronavirus and COVID-19)など6項目に分かれており、精度の高い情報を提供している。ここでは2番目の「どうやって自分自身を守るか」について記す。

(1)近距離での接触を避けよ
 ヒト-ヒトへ飛沫感染で感染が広がり、感染したとしても多くの人は軽症である。
 【対策】
 ・出来るだけ家庭待機し訪問者を減らせ
 ・他人との距離を保て
  屋外では人と6-feet(1.8m)離れろ
  友人や家族とは電話やビデオで会話しろ
 ・在宅勤務を雇い主と交渉しろ
 ・病んでいるように見える人とは接触するな
 ・食料品の買い出しは混んでない時間を選べ

(2)どこに居ようが良い衛生環境を保て
 新コロナウイルスは物の表面で数時間から数日間生き延び、ウイルスに汚染された物に触れた手で顔を触れば感染する。ウイルスはプラスチック製品上では72時間、ステンレス綱やボール紙(段ボール)表面では48時間で検出不可能となることを覚えておきましょう。
 【対策】
 ・石鹸と水で手をよく洗え。手洗いには20秒以上掛け、高頻度に!
  特に次に挙げる場合は必ず施行せよ。
 1)自宅外や公共の場所で、ドアーやドアノブ、買い物カゴやカート、エレベータのボタンなどに触れた後
 2)トイレを使った後(水を流すレバーなどもお忘れなく)
 3)食事の準備の前
 (手を洗った後に素手でドアノブや水道栓を触っている光景をよく目にする。何のための手洗いか分からなくなるので、手袋やハンカチや袖・肘などを使うのが効果的)
 ・石鹸や水がない時には60%以上のアルコール消毒薬を使え
 ・手洗い前の手で、眼・鼻・口を触るな
 ・咳やくしゃみをする時は肘を曲げて口をふさげ。
  ティッシュペーパーを使う場合は、使用後直ちに廃棄せよ

(3)病気の人と一緒に住んでいる場合や介護する際は予防策を取れ
 【対策】
 ・呼吸器疾患を持つ人の介護をする際はマスクをせよ
 ・カウンターやドアノブ、電話機、タブレットなどを頻度高く消毒せよ

(4)具合が悪いと感じたら、以下のガイドラインに従うこと
 ・家に止まるのが原則。但し、呼吸困難や高熱が続く場合を除く
 ・主治医に連絡するか関係機関に電話して症状を説明せよ
 ・呼吸器疾患があって治療を受けるため家を離れる時にはマスクをせよ

以上がJohns Hopkins Medicineでの一般人向けの解説と対策である。我が国での呼び掛けと共通の事柄もあるがそうでないものも見受けられる。興味のある方は是非 https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/coronavirus/how-can-i-protect-myself-from-coronavirus をご覧下さい。

感染予防という観点から外出して気になることとして、一般的なマスクの扱いと手洗い方法や手洗い後の行動が挙げられる。マスクについては原則予防効果は低く、効果が期待されているのは本人が感染しているかも知れないことを想定した場合である。もし第三者に感染させることを危惧するのであれば、装着した使用済マスクは密閉できるビニール袋に入れ、帰宅後そのまま廃棄することや複数枚の予備マスクを持ち歩くことや手指でマスクの中心面を触りまくる動作は避けることなど、ウイルスを排出していることを前提とした行動が必須となる。特に、肺機能が落ちている可能性が高い喫煙者がマスクを外して喫煙し、喫煙後同じマスクを取り出してつけることなど笑止千万である。感染様式については飛沫感染があることは間違いないが、接触感染も飛沫感染以上に起こっているのではないかと考えられる。手洗いと素手での物―特に金属やプラスチックなど表面が滑らかな製品―への接触は要注意であると考えている。

初めはそれほどは長引かないだろうと感じていた新型コロナウイルス 感染症であるが、欧米での感染者数の増え方を見ていると、治療薬を含めた治療法が見つかっても、治療する場所の問題、即ち、医療機関の受入数の限界を考えるとまさに異常事態であり、呼吸器感染症対策の難しさを痛感している。落ち着く迄にはしばらく時間が必要であり、どう生き延びるかが重要なポイントとなる。

参考:
WHO コロナウイルス ダッシュボード(感染者数や死者数:国名をクリック)
 https://experience.arcgis.com/experience/685d0ace521648f8a5beeeee1b9125cd 
感染研 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html 
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html 
内閣官房 新型コロナウイルス感染症対策
 https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html 
首相官邸 新型コロナウイルス感染症への備え
 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

ページのトップへ戻る