【152号】大いなる環境の変化

2015/05/25会長短信

次の文書は、平成塾の2015年版の通信研修講座-“薬剤師に必要な知識”-循環器系疾患の薬物療法-のための巻頭言として書いたものである。同窓会のホームページに掲載することで、通信講座の宣伝に成ればと考えた次第。ここ最近の傾向として薬剤師の学ぶ方向性が医に偏りすぎる傾向が見られた。病気について知ることは必要だが、医学的知識に関していえば、固定した守備範囲の中で仕事をする医師の専門性に敵うわけがない。

今回薬剤師法の改正で求められる『必要な薬学的知見に基づく指導』の内容は、より薬について広汎な情報を手に入れておかなければ対応できない。そこで今回の研修では、薬についての情報を増やすことに努めることにした。

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2015年は薬剤師に取って、大いなる環境の変化を受けた年だということが出来る。一つは薬剤師が管理すべき法律である薬事法が大幅に変わり『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律』となったことである。改正『薬機法』は単に医薬品だけではなく、医療機器にまで及ぶ法律に改正されており、病院薬剤師の場合院内にある機器についてまで管理が及ぶことになり守備範囲が猛烈に広くなった。

また薬剤師法25条2項の改正が行われた。『必要な薬学的知見に基づく指導』が、薬剤師に義務付けられ、evidenceに基づいて指導をすることが求められる様になった。つまり現在薬局の窓口でやっているような、お仕着せの説明文書を、ただ手渡すと云う方式は、『必要な薬学的知見に基づく指導』に該当しないといえる。服用薬の添付文書の情報だけではなく、OTC薬の情報、健康食品の情報等万遍なく収集した情報を元に添付文書情報と組み合わせることによって適正な指導が可能になり薬剤師としての役割が果たせると考えられる。

従来、当塾の情報提供の基本は、医療情報を中心に提供してきたが、今回の法律の改正に伴って医薬品を中心に情報提供することに方針の変更を図った。この変更は法律で云う『必要な薬学的知見』の内容をより深めることが重要であり、添付文書情報を検討すると共に、付加する薬の情報を探索するためにも、医薬品を中心とした情報を検討することが重要だと考えたからである。

更に最近の国家試験の結果を見ると、甚だしく合格率が悪い。その結果は端的に市場の薬剤師不足を招いている。しかし、ある意味で、この状況は冬眠中の薬剤師に取ってはチャンスである。新しい知識を学ぶことで、眠っている知識を覚醒させ、医療現場に再復帰する可能性を探ることも可能である。

今回は新たな方向性を示す第1回として①強心薬、②抗狭心症薬、③β-遮断剤、④Ca拮抗薬、⑤抗不整脈薬、⑥利尿薬、⑦末梢循環器、⑧脂質異常症の8項目を取り上げる。

2015年4月3日
CPC認証研修期間平成塾

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