【87号】平成塾第6回スクーリング終わる

2012/02/04会長短信

一般社団法人昭薬同窓会・平成塾の第6回スクーリングは2012年1月29日(日曜日)午前10時30分より神奈川県民センター2Fホール(神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2)において開催された。

10時30分から『臨床検査データの解釈』として独立行政法人国立国際医療研究センター病院臨床検査部の長谷川達朗氏が講演。臨床検査の目的、臨床検査データの解釈、特に検査結果の判定に使用される基準値について、測定法や装置によって異なるため、施設間格差がある。但し、血液・生化学項目では解消されつつあり、そのためにINRの採用、JSCC準拠法などが利用される。しかし、現在でも腫瘍マーカーでは2-3倍違うこともある。更に個別の検査項目について解説を行うと共に、本日の課題である肝臓について肝臓の解剖学、肝臓の機能、肝臓の疾患として肝炎ウイルス、薬剤性肝障害(薬剤中毒性・薬剤過敏性)等について、検査データに基づいて解説した。また、検査値に影響する薬物についての解説を行った。

13時からは関東中央病院消化器内科小池幸宏講師による『実地医療における肝疾患診療の実際』の講演が行われた。講演する内容として『C型肝炎(HCV)・B型肝炎(HBV)・肝細胞癌(HCC)』について行い、時間が許せば『転移性肝癌』についても演述するとして、まず、C型肝炎の課題に入った。C型肝炎について①血液を介した感染(4割が輸血による感染)、②200万人が感染(日本)、③多くが慢性化する、④肝硬変患者の6割、⑤肝がん患者の8割。C型肝炎の問題点として肝機能の悪化(肝硬変・肝不全)、肝がんの発現が見られること。肝臓の繊維化の進行と年間発癌率についてF1(Fibrosis:繊維化)で0.5%、F2で1.5%、F3で3%、F4(肝硬変)になった場合、発癌率は7%に達する。IFNの投与により肝繊維化の改善がみられIFNでウイルス消失(SVR)が得られると年率0.25Fの改善が見られる。これは40歳でF2が44歳でF1に改善するの報告がある。

抗炎症治療として『瀉血』療法がある。肝臓内の鉄過剰→free radical→肝細胞障害を発現する。従って鉄の過剰を改善することにより肝炎の鎮静化が図れる。瀉血については2006年4月保険適用。保険点数は250点。10人のC型肝炎患者に1回200-400mLの瀉血を2週間毎あるいは1ヵ月毎に行うことによりフェリチンが<10ng/mLまで低下した。その結果GPT値は152±49→55±32に低下した。 その他B型肝炎、肝臓がんについて演述し、肝臓がんではラジオ波による焼灼療法(RFA)の優位性について強調した。有意義な講義が行われたので、若干聴講生が少なかったのは、勿体なかったと云うのが反省点である。

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