一般社団法人昭薬同窓会・平成塾第7回スクーリング報告

2013/04/04第104号

(一社)昭薬同窓会学術担当理事 米倉 徹(D−21B 昭和48年卒)

一般社団法人昭薬同窓会・平成塾第7回スクーリング報告

日時:2012年9月30日㈰ 13時00分〜16時00分
場所:東海大学高輪キャンパス4号館4201講義室
研修単位:2単位
演題:統合失調症の診断と治療
講師:国立精神・神経医療研究センター 臨床研究支援部長 中込 和幸

今回から受講される方々の足の便を考え、会場を東京都心へ移しての開催となりました。テーマは、今年度の通信講座で取り上げている精神・神経領域の中でも、いろいろな場面でよく話題に上るようになった、統合失調症を取り上げました。

講師を依頼した中込 和幸氏は、統合失調症の治療を行う際には薬物療法と切り離すことのできない、認知機能障害の矯正法に早くから取り組まれて来られた方ですが、講義は、統合失調症の基礎から認知機能障害の解説と対処法、そして薬物療法においては我々薬剤師の薬物療法への関わり方までと、幅広い範囲の内容となりました。

まずは、おおよそ100人に1人が罹ると言われている統合失調症に対して、我々がどの程度理解しているかを確認する為の基礎的な4つの質問が出され、その解説を行うという方法で講義がスタートしました。続いて、実際に先生が関わった患者の治療経過についての紹介があり、その病歴から、改めて統合失調症とは妄想や幻覚の出現、及び病識が無いこと、そして再発を繰り返すこと等が特徴であることを再認識しました。ここで再度、アメリカの精神医学会で定めている診断基準DSM−㈿−TRを用いて、統合失調症の定義についてのおさらいがあり、他の精神神経疾患との区分けを行ってから、実際の治療のポイントとなる症状や各病期での対応方法についての解説に移りましたが、用意された資料は図や表が用いられており、大変解りやすいものでした。この中で、回復期・安定期の治療については薬物療法と両輪となる心理社会的治療についての解説があり、日ごろ我々が関わることが無い分野の生活技能訓練等の重要性が理解できました。

再発については、コンプライアンスよりはアドヒアランスの改善に努めることがカギとなるとのことですが、やはり、薬の副作用や多剤併用による不安等がその一因となっている様です。

続いて先生の専門領域である、患者の社会生活と強い関連を示す統合失調症の認知機能障害に触れ、それぞれの障害についての特徴とその対処法について具体例を上げて解説がありましたが、特に障害別の対処方法については大変参考になりました。

最後に、薬物療法を実施する際に薬剤師に期待することとして、アドヒアランス向上の為のアプローチの内容と、自治体病院での取り組みを示され、薬剤師との連携に期待している旨を我々に伝えて講義を締めくくられました。

この後、フロアーから幾つかの質問を受けていただき、閉会となりました。

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