昭薬ミニミニクイズの解答

2012/10/15第103号

夜間血圧が気になる男性

丹那さんが妻のツマコさんに会社の同僚の話をしています。
丹那さんと会社に同期に入社した高井さんは最近社内検診で血圧が高いと言われたのですが、その事をとても気にしていると言います。

丹那さん :高井さんがこの間から血圧の事をとても気にしているんだよ。

ツマ子さん:高井さんの血圧はそんなに高かったのかしら?

丹那さん :いや、昼間が150位だから特別に高い訳ではないんだけど、夜の血圧が心配だと言っていたよ。24時間血圧モニターというのをやったら判ったと言うんだけどね。

ツマ子さん:夜の血圧はどれ位あるの?

丹那さん :それが、昼間より少し高めという話でね、150より少し高いと言っていたよ。

ツマ子さん:昼間の血圧と夜の血圧ってどれくらい違うものなのかしらね。
昼間の方が夜より高いんでしょう?

丹那さん :そうだね、健康な人はどれ位差があればいいんだろうね。
でも高井さんは薬を出して貰って血圧をコントロールし始めたと言っていたよ。

ツマ子さん:夜の血圧を調節できるお薬だといいわね。

高井さんの処方箋
アジルバ錠20mg 1錠 1日1回 夕服用 14日分

クイズ
高井さんの血圧のタイプは以下のどれですか?

1.デイッパー型
2.ノンデイッパー型
3.ライザー型
4.エクストリームデイッパー型

【答え 4】

解説:血圧は通常は日中の活動時に高く、夜間の就寝時に低下する。
成人では日中の収縮期圧は120mmHg、夜間は100mmHg位が正常とされている。
通常では夜間の血圧は日中に比較して10~20%低下する。正常に下降するタイプを dipper(デイッパー)型と呼ぶ。
それに対して夜間血圧の下降度が10%未満、又、日中の血圧と同じ場合をnon-dipper(ノンデイッパー)型と呼ぶ。
又、最近話題になっている夜間血圧のタイプにriser(ライザー)型と呼ばれるものがある。このタイプは夜間血圧が日中の血圧より高くなってしまうタイプである。
他に夜間血圧の下降度が20%以上になるEextreme-dipper(エクストリームーデイッパー)と呼ばれるタイプもある。

血圧日内変動、特に夜間高血圧は、臓器障害を進行させると考えられている。
実際に夜間血圧の変動の異常は大血管障害の様な心血管系イベントのリスクになるだけでなく、網膜症や腎症といった細小血管のリスクになる事も報告されている。
夜間の収縮期圧を5mmHg低下させればイベントリスクは有意に低下するとされているので夜間血圧コントロールは大切である。

現在、強力な降圧作用と標榜しているARB等も発売されており。夕、又は就寝前に服用する事で夜間血圧コントロールも可能かもしれない。

今回高井さんに処方されたアジルサルタン(アジルバ錠)は持続性のAT1レセプターブロッカーと呼ばれる薬剤で夜間高血圧、特にriser型の是正に使用して夜間の血圧を低下させたと言う報告もある。
多くの種類のあるARBだが、カルシウム拮抗剤や利尿剤と合剤にして降圧効果を高める工夫もしているが、臓器保護だけでなく、降圧作用の強さも問われているのであろう。

文献:Slerra A et al、Hypertension
2009、 53:466

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